...満身の重みをそれに托(たく)した...
有島武郎 「カインの末裔」
...わが勇士小浜兵曹長は満身の力をこめ...
海野十三 「怪塔王」
...満身の力をこめて...
海野十三 「爆薬の花籠」
...頭と肩と背とを当てて満身の力で伸びようとするが...
永井隆 「長崎の鐘」
...天鵞毛(びろうど)を欺(あざむ)くほどの滑(なめ)らかな満身の毛は春の光りを反射して風なきにむらむらと微動するごとくに思われる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...〈敵ハ幾万アリトテモ スベテ烏合ノ勢ナラズ 烏合ノ勢ニ非ズトモ 味方ニ正シキ道理アリ 邪ハソレ正に勝チ難ク……〉二万十郎は剣舞で練(きた)へあげた「満身の鉄骨と憂国の血涙」と自ら誇る五尺の体躯を(彼は丈が真実五尺であつたが...
牧野信一 「サクラの花びら」
...降しては上げる満身の力と共に思はずほとばしる彼等の懸声には恰もナンシー・リーのコーラスのやうな底力が籠り...
牧野信一 「雪景色」
...その代り満身の営養分を胃袋へ消費してしまう...
村井弦斎 「食道楽」
...満身の力を籠(こ)めてこれに抵抗したのであった...
百瀬慎太郎 「案内人風景」
...満身の力を一本の鶴嘴に籠(こ)める君等...
百田宗治 「地を掘る人達に」
...満身の怒りをこめた力で...
山本周五郎 「風流太平記」
...堂々と満身の愛を告白する...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...とたんに満身の毛穴から汗がながれた...
吉川英治 「三国志」
...おのずから満身の血は...
吉川英治 「新書太閤記」
...裂(さ)けん一歩の前まで緊張している満身の血管がそれによっても分るほどであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...そこで満身の水を切っていた弟の小七である...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「ふーッ……」満身の毛穴が呼吸(いき)をする...
吉川英治 「宮本武蔵」
...孤剣を抱いて臨んだ時のような――ああした満身の毛穴もよだつような悲壮も抱かなければ感傷もない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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