...満身の力をこめて...
海野十三 「蠅男」
...満身の勇気をふるい起してこう答えました...
江戸川乱歩 「算盤が恋を語る話」
...満身の力を腕にこめて...
太宰治 「走れメロス」
...もしもの事があったら老い衰えた両親や妻子はどうなるのだと思うと満身の血潮は一時に頭に漲る...
寺田寅彦 「枯菊の影」
...兵馬はそれに応じて満身の力を籠めて抱き締めると...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの満身の病根に療養を加えさせて上げたいという...
中里介山 「大菩薩峠」
...天界から加勢に来た亢金竜(こうきんりょう)がその鉄のごとき角をもって満身の力をこめ...
中島敦 「悟浄歎異」
...満身の力をこめて...
中谷宇吉郎 「異魚」
...土、釘、木片といふ物質は彼の腕力で或は粉々になつてしまふかもしれないが、それを組立てて居る無形の威力――即ち国家の権力は、彼が満身の智慧、満身の精神を以てしても、到底破却することが出来ない...
平出修 「逆徒」
...満身の力を込めて手綱を絞めたが...
牧野信一 「夜見の巻」
...「私はまず、初めに喉(のど)へこみあげてきたやつを、この手でこう、ぐっと握りつぶし、次にこみあげてきたやつをこっちの手で、そのあとのやつを膝の下へ、満身の力でこう、ぐうっと握りつぶし、押えつけました、そうしておいて、感謝の意を表しました」「――すると、結婚するわけなのか」主馬はもの凄いような眼をし、両方の握り拳(こぶし)をつきだし、猛犬の唸(うな)るような、けんのんな声で、しかしゆっくりと云った...
山本周五郎 「山彦乙女」
...満身の息をこめて吹き鳴らした...
吉川英治 「上杉謙信」
...満身のおいきどおりで叱ッていた...
吉川英治 「私本太平記」
...身には満身のいたでを負ったが...
吉川英治 「私本太平記」
...「いや、聟の血気には、ミソをつけ申したが、おもいのほか、恢復がはやく、一日もはやく、陣前に出て、汚名(おめい)をそそぎたいと、それのみ、口ぐせに申しおりますわい」聟とは、いうまでもなく、森武蔵守長可(もりむさしのかみながよし)のことで、羽黒の敗戦で、一時は、敵にも味方にも、長可(ながよし)戦死――と伝えられたが、実は、犬山城の奥でひそかに、満身の負傷を、一族の手で、必死に手当されていたのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...我ともあらぬものが満身の毛穴から祈念のさけびをあげてくる...
吉川英治 「親鸞」
...それにつけて満身の雪も滴々(てきてき)としずくして落ちた...
吉川英治 「源頼朝」
...彼女は満身の力を籠めて憎々しげに突き飛ばした...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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