...浩平は満身の力を鋤簾にこめて泥をすくい上げ...
犬田卯 「米」
...諸君自身と諸君が選んだこの天職とに満身の確信をいだいて...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...彼女は満身の愛を生徒たちに捧げた...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...蹄(ひづめ)にこめた満身の力でふるえながら...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...漂うような満身の汗を...
寺田寅彦 「枯菊の影」
...満身の呪詛(じゅそ)を吐き出し来(きた)る時には...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの満身の病根に療養を加えさせて上げたいという...
中里介山 「大菩薩峠」
...天界から加勢に来た亢金竜(こうきんりょう)がその鉄のごとき角をもって満身の力をこめ...
中島敦 「悟浄歎異」
...痩(や)せてはいるが満身の筋肉を骨格の上へたたき付けて出来上った様な男である...
夏目漱石 「幻影の盾」
...土、釘、木片といふ物質は彼の腕力で或は粉々になつてしまふかもしれないが、それを組立てて居る無形の威力――即ち国家の権力は、彼が満身の智慧、満身の精神を以てしても、到底破却することが出来ない...
平出修 「逆徒」
...満身の力を込めて手綱を絞めたが...
牧野信一 「夜見の巻」
...二日日には満身の赤錆...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...満身のおいきどおりで叱ッていた...
吉川英治 「私本太平記」
...満身の意気と君恩のかたじけなさに熱していたのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...満身の頭髪と毛穴から発しているとしか聞えない...
吉川英治 「新書太閤記」
...そこで満身の水を切っていた弟の小七である...
吉川英治 「新・水滸伝」
...満身の力で呼んだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...満身の毛穴が、心をよそに、敵へ対して、針のようにそそけ立って歇(や)まない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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