...およそその条件が満足に解決されないと不可(いか)んのだね...
泉鏡花 「婦系図」
...掛軸の詩が満足に読み下せたのかどうか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...かくてアカデミズムは人々によれば固陋な自己満足に日を送るかのように見えるのである...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...知識や科学はトリヴィアリズムや資本主義的ジャーナリズム――ジャーナリズム自体は必ずしも資本主義的ではない――の標準に従って満足に取り上げられるものではなくて...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...然るに世には税さえ隠して満足には出さぬものあるをや...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...満足から満足に向ってあさり進むとしか考えていないようだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼に取って何の満足にもならなかった...
夏目漱石 「道草」
...「私はこの通りですが――」由兵衛は十本満足に揃った...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小学校も満足には終えていなかったが...
火野葦平 「花と龍」
...満足に出来やせん...
火野葦平 「花と龍」
...草案をご覧になった陛下は一応ご満足になったご様子であったが...
前田多門 「「人間宣言」のうちそと」
...たとへば半紙で帳面を綴(と)ぢさせて見るに高等科の生徒でありながら殆ど満足に綴ぢ得る者はない...
正岡子規 「墨汁一滴」
...何しろ満足に口が利けない程ですの」三人の話題は一しきりその女のことに及んだが...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...そして死亡率の減少は他の理由から満足に確証されたのであるから...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...一番総ての人の満足に近づくことが出来るだろうか...
宮本百合子 「現実に立って」
...それで満足に思っている...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...そっちだけは満足に動かせず...
山本周五郎 「柳橋物語」
...そのときだけのみずからの満足にすぎん...
吉川英治 「私本太平記」
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