...――藤左衛門の話は、彼の心の満足に、かすかながら妙な曇りを落させた...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...満足に看護も出来ず...
泉鏡花 「海城発電」
...恐らく自分が満足に食べたのは三匹か四匹に過ぎまい...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...三度々々食物も満足に咽喉(のど)に通らなかった...
田山花袋 「田舎教師」
...満足に答えることもできませんでしたよ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...お前は着物なぞ満足に着られるとおもう...
徳田秋声 「爛」
...その日その日の自己満足に安んじていた...
豊島与志雄 「波多野邸」
...恋の泉が肉欲の満足によって涸れ尽し...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...満足に足せねえのに...
直木三十五 「南国太平記」
...一ツ二ツの童話位では満足に食ってはゆけないし...
林芙美子 「新版 放浪記」
...このひとは満足に食べられるのかしら...
林芙美子 「新版 放浪記」
...彼は満足に目的地へ達することが出来たかどうか...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...男のやうに乱暴な――玩具だつて満足には一ト月と保つものはありません...
牧野信一 「海棠の家」
...お風呂も満足にお入りにならなかったのですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この御処置をあそばしてもまだ帝は不満足に思召(おぼしめ)され...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたくしは満足に思っている...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...満足に返答ができなかった...
山本周五郎 「山彦乙女」
...粟さえ満足に喰えなかったのが――いまの諸大名や旗本の祖先たちであった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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