...吾人は貞淑(ていしゅく)なる夫人のために満腔(まんこう)の同情を表(ひょう)すると共に...
芥川龍之介 「馬の脚」
...円満具足したゲエテの僕等を行動に駆りやらないことに満腔(まんかう)の不平を洩らしてゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...慈愛のこころあるものはよろしく満腔の同情を寄すべきであると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私は満腔の誠意をこめてお話し申し上げた次第でございます」正造は人々に訣別でも告げるように...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...御得意に対し満腔の誠意をもって販売する事であります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...意気揚々満腔の希望を抱き...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...余は満腔(まんこう)の不平を吐(は)く所なきに悶々(もんもん)した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...満腔(まんこう)の詩情を托したその頃の自分は若いものであった...
永井荷風 「深川の唄」
...私の満腔の崇拝心と愛好心は悉(ことごと)くこの偉人の上に濺(そそ)がれるようになり...
新渡戸稲造 「ソクラテス」
...あれを君が保存して呉れた労に満腔の感謝を抱いてゐる...
牧野信一 「凩日記」
...」と私は満腔の想ひを空に向つて次々に追放するかのやうに腕を張り...
牧野信一 「ファティアの花鬘」
...不器用な足どりに満腔の感謝を覚え...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かく迄も後進の言動を留意し指導して下さる同氏の御熱心に対して茲(ここ)に謹しんで満腔の敬意を払う次第である...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
...彼等は無言の裡に満腔の涙をその鼻の表現に浮き上らせて...
夢野久作 「鼻の表現」
...「貴国の軍備縮小に満腔の敬意を払う」と云う外交官...
夢野久作 「鼻の表現」
...満腔の敬意と感謝を捧げる――と慇懃(いんぎん)な答礼を送った...
吉川英治 「三国志」
...満腔(まんこう)の怒りを...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただ彼女が哀れな中宮の運命によせた満腔(まんこう)の同情を...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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