...死に臨んだ彼は満腔の遺憾をかう云ふ一首に託したさうである...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...而して彼は満腔の覇気...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...殊に当時猛訓練と軍事学の研究に依って軍隊の精鋭に満腔の自信を持っていたフリードリヒ大王には世人を驚嘆せしむる戦功を立てしめたのである...
石原莞爾 「戦争史大観」
...ようやく満腔の憤懣をおさえつつ鉱毒問題の質問演説に立ったのである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私は満腔の誠意をこめてお話し申し上げた次第でございます」正造は人々に訣別でも告げるように...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...満腔の熱情を灑ぎて...
高木敏雄 「比較神話学」
...そのまったくの温情にたいして満腔(まんこう)の感謝を覚ゆるのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼等一同は一片の食物の影を見誤つて満腔の憧憬を寄せた動物のやうに...
牧野信一 「鱗雲」
...あれを君が保存して呉れた労に満腔の感謝を抱いてゐる...
牧野信一 「凩日記」
...大森でお目にかゝつた時にも満腔の悦びを感じ...
牧野信一 「痩身記」
...満里子君も亦私に対して満腔の尊敬と敬愛とを捧げてゐます...
牧野信一 「満里子のこと」
...果して以何に所理するかはまあ俺に任して置け!」「どうぞ!」と樽野は満腔の依頼をもつて...
牧野信一 「円卓子での話」
......
正岡子規 「曙覧の歌」
...誰でも満腔の同情を長くは禁じていられぬような顔なのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「墓地へゆく道」
...青い青い月の光りのなかに満腔の思いをこめて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼等は無言の裡に満腔の涙をその鼻の表現に浮き上らせて...
夢野久作 「鼻の表現」
...満腔(まんこう)の怒りを...
吉川英治 「新書太閤記」
...ああ――と満腔(まんこう)から鬱(うつ)を天へ吐きすてるのもあるし...
吉川英治 「新書太閤記」
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