...村中湿りかへつて...
石川啄木 「赤痢」
...隙間風が湿りのきた障子紙をわびしい音をたてて煽ると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...こころはほどのよい湿りにおそはれてよろめき...
大手拓次 「藍色の蟇」
...より多くの熱と湿り気を獲て...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...彼女の息は湿り気を帯びて生温かく...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...豆屋の鈴の音も湿り気を含んでいた...
徳田秋声 「新世帯」
...粗末な学校の廊下も窓もびっしりと湿り...
原民喜 「秋日記」
...おそらく三間にも達するであらうほどな湿りを含んだ綱が...
牧野信一 「海棠の家」
...さ霧のような湿りが来た...
宮本百合子 「結婚問題に就て考慮する迄」
...「湿りけのある今日の空気が香の試験に適していると思いますから」と言いやられたのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そこの湿りある地面を指さした...
室生犀星 「後の日の童子」
...時々は湿りがちな田の畔(あぜ)にも...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...汗をかいているようにしっとりと湿りけを帯びていた...
山本周五郎 「青べか物語」
...今は始末のつかぬ吐瀉物(としゃぶつ)のように湿りながら...
横光利一 「上海」
...日に解けとろりと崩れた部分の湿り工合まで...
横光利一 「旅愁」
...強薬(ごうやく)の加減だの湿り弾なども交じっているせいである...
吉川英治 「上杉謙信」
...不快な刺激臭を放つ湿り気のある有機物が損傷のない側まで覆うようになっていった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...妙に湿り気を含んだ...
蘭郁二郎 「鉄路」
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