...波打ちぎわの砂はいいほどに湿って葉子の吾妻下駄(あづまげた)の歯を吸った...
有島武郎 「或る女」
...すこしでも湿気があると黴(かび)が生えて品質が悪くなる...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...陰湿な物蔭を物蔭をと捜し歩いてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...喉(のど)が渇いて全く湿いのない事を感じたから...
高浜虚子 「子規居士と余」
...湿布する度に、ヱキシカを塗る毎に入雲洞をおもふ...
種田山頭火 「其中日記」
...吸入に湿布に、熱があれば氷枕、過激な運動を避けること、それだけが手当の全部だった...
豊島与志雄 「反抗」
...湿度の問題ではなかろうかと思われる...
中谷宇吉郎 「郭公のおとずれ」
...薄湿(うすじめ)りの夜の大地の冷えが膝(ひざ)に伝わりますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...雨戸が水を吸ったように湿っていた...
林芙美子 「貸家探し」
...司法主任が湿った声をだした...
久生十蘭 「母子像」
...「郷里ではあたかも梅雨(つゆ)の季節でござる」枝川の流れは湿地のなかに散らばり...
本庄陸男 「石狩川」
...水に湿った田に往々低い茎のあるいは立ちあるいは横斜したヤナギタデが越冬して残り...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...何分にも下は湿っているし...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...アクツは必ずしも卑湿沮洳(そじょ)の地を意味すると断定することはできない...
柳田國男 「地名の研究」
...これらの地は水害頻繁にかつおおむね卑湿であって...
柳田國男 「地名の研究」
...また黙って霜解けの湿った路の上へ筵を敷いて上から踏んだ...
横光利一 「南北」
...手拭に清水を湿(しめ)して飛んできて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...陰湿(いんしつ)な虫が昼間でもチチと啼(な)いている牢露地をぬけると...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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