...ひとりその店にて製する餡(あん)、乾かず、湿らず、土用の中(うち)にても久しきに堪えて、その質を変えず、格別の風味なり...
泉鏡花 「一景話題」
...空気は湿地と接してゐるし...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...湿れた海綿を絞る時は水を浸み出させりやいゝ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...湿った地面を踏んで横手に廻ると...
梅崎春生 「日の果て」
...半暗と湿気と悪臭の横町が...
谷譲次 「踊る地平線」
...湿りを帯びた大きな星が...
寺田寅彦 「嵐」
...湿度が直ちに関係する...
寺田寅彦 「方則について」
...それから湿(しと)った塩煎餅(しおせんべい)を猫板の上へ出した...
徳田秋声 「新世帯」
...看護婦が胸の湿布を代える時に...
豊島与志雄 「二つの途」
...硬毛(こはげ)は湿つた皮膚の中にて...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...湿った土の上へ一足...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...湿布を了り、滝さんが、「彼岸花」を見ようと誘ふので、彼の車で行く...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「何て……何てこったろうほんとに」シットリと湿(しっ)けた枝差しだしている傍らの柘榴の股になっているところへのせて置いたお線香二本...
正岡容 「小説 圓朝」
...師匠どうぞ」無理から湿った声を明るくして圓朝...
正岡容 「小説 圓朝」
...またどんな冷湿な年柄でも...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...床下からの湿気も防げるし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...目釘(めくぎ)を湿(しめ)していておくんなさいね」「心配(しんぺい)するな」笑いながら...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...わらじにふむ露湿りの感じも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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