...何んでもジヤコビン党員の胸には皆同じ色――若き生命の浅緑と湧き立つ春の泉の血の色との火が燃えて居て...
石川啄木 「雲は天才である」
...シャンパンの杯に湧き立つ泡のやうな感じがして...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...その身辺からものすごい雲がむらむらと湧き立つように見えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...「おゝ汝はキリシトファ・フェレラ! フェレラ!」「フェレラ」と云ふ語を聞くと家の中の一同は又湧き立つ様にざわめいた...
長與善郎 「青銅の基督」
...四人の心の中には一種の好奇心が湧き立つてくるのです...
南部修太郎 「S中尉の話」
...淡い春の雲が小さい太陽を囲んで湧き立つて見えた...
林芙美子 「瀑布」
...村々が湧き立つような騒ぎになる...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...嫉(ねたみ)と邪(よこしま)とがむらむらと彼の心に湧き立つた...
平出修 「夜烏」
...ブロクルハースト一味の人々に對する火のやうな忿怒(ふんぬ)の衝動が湧き立つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...何かの糸口を見つけて湧き立つて来ようとする絶望感を...
北條民雄 「発病」
...渦巻が大きく湧き立つてゐる為めに...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...かたい古生層の岩角をつき破って湧き立つ奔流となり...
本庄陸男 「石狩川」
...それで湧き立つて人の言葉などは聴く者もなくなつたので私は手風琴を弾きはぢめた妻君の傍らへすゝんで...
牧野信一 「酒盗人」
...今日ハ手ヲ取リ語レドモ 明日ハ雲井ノヨソノ空 行クモ留ルモ国ノタメ 勇ミ進ミテ行ケヨ君――と合唱する聞くだに健やかな血の湧き立つ軍歌が響いた...
牧野信一 「緑の軍港」
...血の湧き立つやうな樂みは得られなかつた...
正宗白鳥 「假面」
...あたりの田圃で今は地べたが湧き立つように蛙が鳴いています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...湧き立つように流れてくる...
三好十郎 「樹氷」
...湧き立つばかりの・力のあふれた・充実した・悠然たる・健康を...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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