...何んでもジヤコビン党員の胸には皆同じ色――若き生命の浅緑と湧き立つ春の泉の血の色との火が燃えて居て...
石川啄木 「雲は天才である」
...忍男の矢が最後の鐵楯に立つて歡呼の聲の湧き立つた時には...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...何んとも云いがたい焦躁(しょうそう)に胸の湧き立つのが感じられるのである...
上田広 「指導物語」
...波濤の如く起伏した連山に雲の湧き立つたさまは...
田山花袋 「日光」
...四人の心の中には一種の好奇心が湧き立つてくるのです...
南部修太郎 「S中尉の話」
...村々が湧き立つような騒ぎになる...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...あちらからも此方からも湧き立つような景気のいい太鼓の音がきこえて来るのだが...
久生十蘭 「魔都」
...ちやうどありとある感情が一時に湧き立つて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...渦巻が大きく湧き立つてゐる為めに...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...スパルタの下院議員がアテネ討伐の可決に立ち上つた時のやうに湧き立つて鬨の声をあげるや...
牧野信一 「酒盗人」
...――からだ中の血が湧き立つ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...おのれの影に湧き立つ泉のメロディーは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...湧き立つように流れてくる...
三好十郎 「樹氷」
...湧き立つ胸のごたごたが遠くの方へとあいつをこがれさせる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...もろもろの人間の意見が狂瀾(きょうらん)のように湧き立つ大海原の上をながれ漂うのを見るのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...又もや湧き立つ大浪小浪の間に真逆様(まっさかさま)に落ち込んでしまいました...
夢野久作 「白髪小僧」
...そして船跡に湧き立つ水泡がとき/″\血の色を帶びた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...麗かな日ざしに照らされた海面からは靄とも霞ともつかぬものがいちめんに片靡きに湧き立つて...
若山牧水 「樹木とその葉」
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