...自分の周圍に在つて此沈湎を支へて呉れる人と云ふもの――社會と云ふもの――の温かなる好意が必要になつて來る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...生中(なまなか)天分の乏しいのを知りつつも文学三昧に沈湎(ちんめん)するは文学を冒涜する罪悪であると思詰め...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...淫蕩の真似事に沈湎したのである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...現在の気分に沈湎させる用をしかなさなかった...
豊島与志雄 「立枯れ」
...沈湎(ちんめん)することがその生命である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この日も君江はこの快感に沈湎(ちんめん)して...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...その疾苦のうちに沈湎(ちんめん)しながらも...
野村胡堂 「楽聖物語」
...心から享楽に沈湎し得ないやつらしいと一般がすぐ見てとった...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...その状あたかも沈湎冒色...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...怖ろしい無念無想に沈湎してゐた...
牧野信一 「驚いた話」
...彼が酒色に沈湎(ちんめん)していた頃...
吉川英治 「剣難女難」
...諸将みな沈湎(ちんめん)...
吉川英治 「三国志」
...味ない酒をただ沈湎(ちんめん)と仰飲(あお)っていたが...
吉川英治 「私本太平記」
...宋江も酔って沈湎(ちんめん)といるだけだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...沈湎(ちんめん)とした面(おもて)を...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...沈湎(ちんめん)と額(ひたい)づえついていた清十郎が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...沈湎(ちんめん)と独りの想いに耽ることが多かった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...沈湎(ちんめん)しているかと思えば...
吉川英治 「山浦清麿」
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