...渾然として理義の解析を容(い)れざる也...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...渾然として自他を絶した境である...
種田山頭火 「行乞記」
...樹明兄の人柄が渾然として光を放つた...
種田山頭火 「行乞記」
...渾然として一枚になつた境地である...
種田山頭火 「其中日記」
...芋の葉と徳利と山頭火とは渾然として其中庵の調和をなしてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...唯それだけで『少年の自殺』に現はれたやうな渾然として芸術味がない...
田山録弥 「或新年の小説評」
...客観でなければ何うしても渾然として宙宇(ちうう)に浮び上るやうな作品を得ることの出来ない必至の事実...
田山録弥 「自他の融合」
...そしてその幾度か打消され改められた上に、渾然として、理窟でない思想でない抽象したものでないある自然の面影が浮んで来るのである...
田山録弥 「墓の上に墓」
...自然主義的心境が渾然としてきたからであった...
豊島与志雄 「野に声なし」
...表現派的心境が渾然としてきたからであった...
豊島与志雄 「野に声なし」
...プロレタリア派的心境が渾然としてこなければいけない...
豊島与志雄 「野に声なし」
...この一見全然相反する二方面の仕事が先生の場合には渾然として融合していたのである...
中谷宇吉郎 「文化史上の寺田寅彦先生」
...こうして渾然として恋の楽土に住み...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...秋まつり鬱金(うこん)の帯し螺(ら)を鳴らし信田の森を練るは誰が子ぞ一分の隙もない渾然として玉の様な歌であるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...渾然として一如(にょ)となる...
二葉亭四迷 「平凡」
...渾然として調和する...
柳宗悦 「工藝の道」
...彼が徹底せる熟慮と深瀾(しんらん)のごとき遠謀とが渾然として湧出して来る...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...招提寺の金堂が「渾然としている」と言えるならば...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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