...渺茫(びょうぼう)たる碧い碧い海原とをしばらく眺めていた...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...この心細い渺漠(びょうばく)たる霧の中を何処へ吸われて行くのであろう...
泉鏡花 「遺稿」
...川上の方は渺茫(びょうぼう)としたうすあかりの果てに没して何処までもつづいているように見える...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...それが渺茫(びょうぼう)としているだけに何やら空々たる趣きがあった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...平沙渺漠(へいさびょうばく)として人煙を絶す...
中里介山 「大菩薩峠」
...渺々(びょうびょう)たるみずうみの四辺をグルグル見廻しておりましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...霞かげんに漂渺としているが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...神韻縹渺(ひょうびょう)たる音楽である...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...渺茫たる広野原の遠見...
林芙美子 「愛する人達」
...然らざる読者層の為には晶子歌の完成した縹渺たる趣きを早く知つて貰ひたく晩年の作から逆に交互に拾つて行くことにする...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...馬嘶キテ白日ハ暮レ剣ヲ鳴シテ秋気ノ来タル我ガ心ハ渺トシテ際リ無ク河上ニ空シク徘徊ス*僕の知友に...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...また縹渺(ひょうびょう)たる海島へも渡ります...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...北方は玄海灘渺々然として飛帆鳥のごとく後島(うしろのしま)はみな盃のごとし...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...透谷と月下に語れば清(せいく)飄渺(へうべう)として神仙の如し...
山路愛山 「北村透谷君」
...さして行く先は渺茫(びょうぼう)として海のような武蔵野の原――行けども草原...
吉川英治 「江戸三国志」
...渺漠(びょうばく)たる裾野(すその)の原にはいると...
吉川英治 「神州天馬侠」
...――渺茫(びょうぼう)と長かった気もするし...
吉川英治 「新書太閤記」
...頗る縹渺(ひょうびょう)たる風格のなかに...
吉川英治 「新書太閤記」
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