...吾人の見る事の出来ぬ渺漠(びょうばく)たるもの...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...漂渺たる汀(みぎわ)を長々と横えている...
大阪圭吉 「死の快走船」
...日本全国から見てまことに渺たる存在である...
太宰治 「津軽」
...見渡すかぎり渺茫(びょうぼう)とした月明(げつめい)の中へ溶け込んで行った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
... 510渺々廣き海上に逃れ去ること得べからず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...しかして中央アジアの平原大野は渺茫(びょうぼう)として限りなくはるかにゲルマン...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...とにかく「眼中には最早渺たる一通詞の職はなく...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...煙波浩渺として暮れゆく海をながめて...
中里介山 「大菩薩峠」
...淡い縹渺(ひょうびょう)とした抒情味である...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...渺(びょう)々たる大海原の見えるところへ出た...
久生十蘭 「地底獣国」
...橘の眼はなにかに憧(あこが)れて漂渺(ひょうびょう)として煙(けぶ)っているようなところに...
室生犀星 「姫たちばな」
...漂渺としてけぶるような眼の中には...
室生犀星 「姫たちばな」
...一列の雪の峰が雲際(うんさい)に漂渺と浮んでゐる...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...ふたたび蕭々(しょうしょう)の風と渺々(びょうびょう)の草原をぬう旅はつづいてゆく...
吉川英治 「三国志」
...縹渺(ひょうびょう)とにじみ出たその顔つきが...
吉川英治 「私本太平記」
...――渺茫(びょうぼう)と長かった気もするし...
吉川英治 「新書太閤記」
...やがて大陸の渺々(びょうびょう)たる野路(のじ)山路は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...縹渺(ひょうびょう)たる雰囲気を漂わしてたたずむ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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