...省作は頭の後ろを桶の縁へつけ目をつぶって温まりながら...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...そして過ぎ去った青春の夢は今幾何(いくばく)の温まりを霜夜(しもよ)の石の床にかすであろうか...
寺田寅彦 「凩」
...元彦はその火に温まりながら...
豊島与志雄 「渡舟場」
...温まりすぎると布団から出ていく...
豊島与志雄 「猫先生の弁」
...ここへ来て温まり給え...
中里介山 「大菩薩峠」
...温まりまするで...
長與善郎 「青銅の基督」
...いつものやうにざつと一と風呂お温まりになつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まだ寒いほどの時ではなく、その上米澤町のお茶屋に風呂が立つて居て、船へ這(は)ひ上がるとすぐお茶屋に送り込まれ、濡れた裝束(しやうぞく)を脱いで、一と風呂温まり、賑(にぎ)やかに囃(はや)し乍ら改めて女夫(めをと)の盃といふ寸法になつて居たんで」「呆れたものだな」「全く呆れましたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...明るい爐の火と光と熱に温まり乍ら...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その火の前にはまだ冬らしい日射しが温まりに這ひよつてゐた...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...すっかり温まり、たっぷり飲んだ酒が効いてきた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日白魔」
...そつと温まりに行くが...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...早や酒温まり肉煮えたり...
宮崎湖処子 「空屋」
...お嫌ではなくって」肌の温まりが衾(ふすま)を隔てて伝わって来る...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...慣れない雪道を歩いて身体が温まり初めたからであった...
夢野久作 「眼を開く」
...彼は腹の下の床石が温まり始めると...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...湯の温まりが全身に廻って来たとき...
横光利一 「旅愁」
...その温まり工合や...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索