...われ/\が一時忘れていた「紙」と云うものの持つ柔かみと温かみに再び眼ざめた結果であり...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...そこに一種の温かみを感じ...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...温かみを加えて見たいと思っていました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...そして線描の落着いたしかも敏感な鋭さと没骨描法(もっこつびょうほう)の豊潤な情熱的な温かみとが巧みに織り成されて...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...ほのかな温かみを呼び起されていた...
豊島与志雄 「孤独者の愛」
...その温かみを背には感ぜず...
豊島与志雄 「憑きもの」
...心から自然に溢れ出る温かみです...
豊島与志雄 「囚われ人」
...ほとんど原始的のものであるけれどその囲炉裏を囲むという実用性と家庭味は日本農村の生命であって火鉢やストーブでは充(み)たしきれない温かみがそこにあるのであるが...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...傍の火の温かみで元氣が出たと見え...
中島敦 「かめれおん日記」
...しかしこういう言葉の裏に流れている心の温かみは...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
...自分の何処かにまだ感ぜられている異様な温かみと匂いを何か貴重なもののようにかかえながら...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...こう血の温かみのあるのは少いような気がするね...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...そのほのかな温かみが――私自身の生(いのち)の温かみのようなものが――子供の私にもなぜとも知れずに愉(たの)しかった...
堀辰雄 「幼年時代」
...寒い髄までふわりと温かみを送るのである...
本庄陸男 「石狩川」
...思わぬ温かみを感じた...
本庄陸男 「石狩川」
...ほのかに蓄えられていた温かみを掻きまわすのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...表の作品はすべて情操のしっとりとした重み温かみを内にひそませているものが多かった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...お互いの躯の温かみで寝るんだそうね...
山本周五郎 「青べか物語」
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