...微な風波の音が南風気のある生温かい空気の中に滲んで聞えるばかりで他に何の物音もしなかつた...
田中貢太郎 「海異志」
...君はいつも温かい人だ...
種田山頭火 「行乞記」
...私が創造したすべてのものよ! 君たちは温かい抱擁で私を取り巻いてくれ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分では、指も、手首も、未だくっついているように思えたが、激痛に縮み上るような右手へ、左手を当てると、腎(ひじ)から切り落されてしまっていて、生温かい血が、すぐ指の股から、流れ落ちた...
直木三十五 「南国太平記」
...丁字屋(ちょうじや)でございます」「江戸屋でございます」「手前は佐忠で……」「三度屋はこちらでございます」「温かい御飯の冷えたのもございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...温かいのはあたりまえの炉の火までが...
中里介山 「大菩薩峠」
...この女が温かい心を持った人の親でないことは勿論だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...温かいに越したことはない...
中里介山 「大菩薩峠」
...瀧の冷たい水にかゝつたら凍えるやうになることかと思つたのにさうではなくてほか/\と温かい...
長塚節 「松蟲草」
...温かい海に棲んでいる魚には...
中谷宇吉郎 「異魚」
...人間としての温かい感情を汲(く)みとったようである...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
...――いまだかつて温かい言葉一つかけられなかった古里の人たちに...
林芙美子 「新版 放浪記」
...雪晴れの温かい夕方...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...生温かい道路は茫として白く浮上つてゐる...
原民喜 「かげろふ断章」
...思ふ存分温かい汐風に浸つて...
正宗白鳥 「吉日」
...掌が温かいような気がいたしますの...
室生犀星 「後の日の童子」
...この章はモンテーニュ生来の温かい人間愛がしみじみと感ぜられる最も美しいエッセーの一つであるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「お父さんまだ温かいわ...
横光利一 「旅愁」
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