...人の氣(け)絶(た)えし渡殿(わたどの)の影ほのぐらき朧月(ろうげつ)よ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...元久(げんきゅう)の頃詩に歌をあはせられしにもとりわきてこそは見わたせば山もとかすむみなせ川ゆふべは秋となにおもひけむかやぶきの廊渡殿(わたどの)などはる/″\と艶(えん)にをかしうせさせ給へり...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...あれは渡殿の軒に近く紅梅が綻(ほころ)びていたことを思うと...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...そして妻戸の向かいになった渡殿(わたどの)の入り口のほうに立っていると小君が来た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...東の渡殿(わたどの)の下をくぐって来る流れの筋を仕変えたりする指図(さしず)に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...廊の縁側を通り渡殿(わたどの)の反橋(そりはし)を越えて持って来た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「若い人たちは渡殿(わたどの)の戸をあけて見物するがよい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...中将が来て東の渡殿(わたどの)の衝立(ついたて)の上から妻戸の開いた中を何心もなく見ると女房がおおぜいいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...西の渡殿(わたどの)の下から流れて出る園の川の汀(みぎわ)にうずめてあったのを...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...秋になって院は尼宮のお住居(すまい)の西の渡殿(わたどの)の前の中の塀(へい)から東の庭を草原にお作らせになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...蔵人少将とつれだって西の渡殿(わたどの)の前の紅梅の木のあたりを歩きながら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...例の氷を割られた日の西の渡殿へ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あそこの遠い渡殿をも歩いて行く...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...和尚の足音は渡殿(わたどの)を渡って庫裡(くり)の方へ消えて行った...
夢野久作 「名娼満月」
...やがて又今度は音も立てずにヒッソリと渡殿を引返して...
夢野久作 「名娼満月」
...まだ渡殿(わたどの)の角にたたずんでいた...
吉川英治 「私本太平記」
...渡殿(わたどの)の蔀(しとみ)の下に平伏していた...
吉川英治 「私本太平記」
...長い渡殿(わたどの)をゆく...
吉川英治 「平の将門」
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