...二十一 船長僕は上海(シヤンハイ)へ渡る途中...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...ぞろぞろ橋を渡る跫音が...
泉鏡花 「絵本の春」
...ひさかたの二二天(あめ)の香山(かぐやま)利鎌(とかま)二三に さ渡る鵠(くび)二四...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...此様な問題を考へる暇も無く世を渡るであらうが...
丘浅次郎 「人類の将来」
...渡るについては、きっかけがあったのだが、俺としては自分から進んで、自分の意志で上海へ行くのだという気持だった...
高見順 「いやな感じ」
...世界を吹き渡る多衆的熱情の衣をまとう...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その面(おもて)にみるみる沈痛の色が漲(みなぎ)り渡るのみでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...樹間を渡る冷風は既に曉の近きを告げてゐた...
中島敦 「山月記」
...いやしくもこの暗い中の一点が木村項の名で輝やき渡る以上...
夏目漱石 「学者と名誉」
...薄い霜(しも)を渡る風が...
夏目漱石 「門」
...山から山に渡るには頂上より頂上まで行くのが最も近道(ちかみち)であるが...
新渡戸稲造 「自警録」
...渡る世間に鬼はないと云うけれど...
林芙美子 「淪落」
...おのずからまた善政良法あるにあらざれば政府の名をもって若干の年月を渡るべき理なし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...凡(およ)そ人の金を借用せずに世の中を渡ると云うことが出来るものか...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...Aは KOMOIDOS なる喜劇役者といふ言葉は KATA-KOMAS なる即ち「村から村へ流れ渡る」の意から転じて KOMOIDOS といふ言葉が出来たのだ――と主張し...
牧野信一 「歌へる日まで」
...仏経に声聞(しょうもん)を兎川を渡る時身全く水に泛(うか)ぶに比し...
南方熊楠 「十二支考」
...利根を渡るのはこれで三度目だが...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...石橋をたたいて渡るような一益の戦略にもどかしくなったのも無理ではない...
吉川英治 「黒田如水」
便利!手書き漢字入力検索