...――「お神輿の渡るを見るや爪立ちて...
芥川龍之介 「夢」
...便所と池との間に離れへ渡る廊下が付いてゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...この川渡ることむずかしく...
太宰治 「新釈諸国噺」
...馬蹄(ばてい)の音が名寄中(なよろじゅう)に響き渡る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...」一同の間にちらちらと目配せが行き渡る...
豊島与志雄 「春」
...旅客が先きを争うて渡るので広い川原も怖しいほど雑沓した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...家倉(いえくら)は人手に渡る」「ふむ」「そのまた買った人がどうしても伸立(のだ)たない...
中里介山 「大菩薩峠」
...濠(ほり)を渡ると境町の通りであります...
中里介山 「大菩薩峠」
......
長沢佑 「レポーター」
...大空に鳴る烈風を劈(つんざ)いて一度に山腹に中(あた)って山の根を吹き切るばかり轟(とどろ)き渡る...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...海を渡る覚悟ですでにもう汽車に揺られているかも知れなかった...
夏目漱石 「明暗」
...しかしなお華麗に世を渡るよりはこの方がかえって人生の真味を味わわれると思う...
新渡戸稲造 「自警録」
...其れから直ちに實川の岸に移つて又數町進むと左岸に渡る...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...どうせこちとらの手に渡る代物(しろもの)ぢやありませんがね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...更(ふ)け渡るあたりの静けさを...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...吹き渡る薄暮の暗い風のまにまに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「どうして渡るのだ...
吉川英治 「親鸞」
...そしていつかお前の方まで分け入るぞよと輝き渡る藤原郷の奧山を望んで思つたものであつた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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