...」患者は病院ぢゆうに響き渡るやうな口笛を吹いた...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「笑」
...川面を吹き渡るそよ風に伝わって洩れて来ます...
谷崎潤一郎 「幇間」
...旅客が先きを争うて渡るので広い川原も怖しいほど雑沓した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...その中からは戞々(かつかつ)と響き渡る竹刀(しない)の音...
中里介山 「大菩薩峠」
...お角がそこへ行こうと思って廊下を渡ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...次の船でトケラウスへ渡るという...
中島敦 「光と風と夢」
...夷の港へ渡る汽船の甲板でも遂に此鉢卷はとらなかつた...
長塚節 「佐渡が島」
...仰(おお)せに従って渡るとするかな...
夏目漱石 「虞美人草」
...私は階上(うえ)へ上って欄干を渡るまで暫(しば)らくのあいだ眺めていました」「その間...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...コンクリートの橋を渡ると...
林芙美子 「子供たち」
...今や朝(あした)の霞を衝いて津々浦々までも鳴り渡るあの明朗至極なるラヂオ體操を見ても明らかの如く...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...その最初の石橋を渡ると...
槇本楠郎 「母子ホームの子供たち」
...空を渡る雁(かり)が翼を並べて行くのもうらやましくお見守られになるのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...救いは隈(くま)なく渡るであろうか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...お杉は橋を渡ると...
横光利一 「上海」
...薄曇りの空を啼き渡る二...
吉川英治 「三国志」
...これが全軍に知れ渡ると...
吉川英治 「新書太閤記」
...夜風の梢を渡る音に怯えたりしては...
蘭郁二郎 「歪んだ夢」
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