...無事に土砂の斜面を渡り切る...
石川欣一 「可愛い山」
...そうして余は二、三日滞在の上帰路は箱根を越え、富士川を渡り、岩淵停車場まで徒歩し、始業の時日が差迫ったためにそれからまた汽車に乗って帰った...
高浜虚子 「子規居士と余」
...今私がかりにパリへ行ってその屋根の下を流れ渡り...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...異船日本の沖合へ渡り来る時...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...ちょうちんを灯けた牛車が橋を此方(こっち)へ渡り切った頃...
戸田豊子 「鋳物工場」
...吾妻橋を渡り、石原番場の河岸を歩む...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...川留めになるようなことはございません」水のひたひたと浸(つ)いた板橋を渡りながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...世渡りの秘訣は人に譲るにあることを繰(く)り返(かえ)してあるが...
新渡戸稲造 「自警録」
...渡り仲間のすれっ枯らしなところがなくて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お鈴は足を痛めて綱渡りは出來なくなりましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...橋を渡り終へると...
北條民雄 「道化芝居」
...渡りに舟であった...
本庄陸男 「石狩川」
...――背中の像が生を得て、そしてまた、あの肖像画の主が空に抜け出て、沼を渡り、山へ飛び、飜っては私の腕を執り、ゼーロンが後脚で立ち上り――宙に舞い、霞みを喰(くら)いながら、変梃(へんてこ)な身振りで面白そうにロココ風の「四人組の踊り(カドリール)」を踊っていた...
牧野信一 「ゼーロン」
...昼間べか舟で「長」と妙見島へ渡り...
山本周五郎 「青べか日記」
...いよいよ深く一般に行き渡り始めた...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...あれへお駒を曳いて渡りましょう」対岸へ向って...
吉川英治 「上杉謙信」
...衣川(きぬがは)を渡り...
吉川英治 「随筆 新平家」
...崖を降り橋を渡り一軒の湯宿に入って先ず湯を訊くと...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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