...彼の両眼は彼の性格と世渡りの方法との通弁であった...
石川欣一 「山を思う」
...すると例のマッチがわが官憲の手に渡り...
海野十三 「流線間諜」
...実世間の世渡りも万更ではなかつたと見えて...
薄田泣菫 「茶話」
...自分は綱渡りの奇才を深淵の上で実演しているのだと気がつくのだったら――いよいよおもしろい! すべてはやがて好転するだろう...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...伯爵振り出しの不名誉極まる不渡り手形さえ何枚か市中に流れ出しており...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...渡り鳥のように四国の脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)を越えて南海の町々村々をおとずれて来る一隊の青年行商人は...
寺田寅彦 「物売りの声」
...されど其曲はさゞめきの声のごとくそよ風遠く蘆のしげみを渡りつゝ塒(ねぐら)の禽をさまさじと気づかふ如くしめやかなりき...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...渡りに舟のようなものではあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...渡り者の老仲間も動くわけにはゆかない...
中里介山 「大菩薩峠」
...岩をとび越えまた水の中を押し渡り...
本庄陸男 「石狩川」
...トロムボオンがそれに交って鳴り渡り...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...いろ/\御親切に……私共は矢張渡り者で...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...辰造 渡り人足なんぞ打つちやつといて...
三好十郎 「地熱」
...能方(のうかた)川を渡り岩はな堤を経て小竹堤を行く...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ほぼ全国といってもよい位に行き渡り...
柳田国男 「年中行事覚書」
...いよいよ深く一般に行き渡り始めた...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...嘴(くちばし)と鼻を兼帯にして阿呆(あほう)阿呆と鳴き渡り...
夢野久作 「鼻の表現」
...呂蒙に向っては、「兵三千をひいて、烏林へ渡り、甘寧と一手になって、力戦を扶(たす)けろ」と命じ、第四の凌統(りょうとう)へは、「夷陵(いりょう)の境にあって、烏林に火のかかるのを見たら、すぐ喚(おめ)きかかれ」と、それへも兵三千をあずけ、さらに、董襲(とうしゅう)へは、漢陽から漢川(かんせん)方面に行動させ、また潘璋(はんしょう)へも同様三千人を与えて、漢川方面への突撃を命じた...
吉川英治 「三国志」
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