...軍艦の中で艦首から艦尾を一目に見渡す所と云ふと...
芥川龍之介 「軍艦金剛航海記」
...見渡す青葉、今日しとしと、窓の緑に降りかかる雨の中を、雲は白鷺(しらさぎ)の飛ぶごとく、ちらちらと来ては山の腹を後(しりえ)に走る...
泉鏡花 「婦系図」
...と金魚の入れものを渡すのであつた...
鈴木三重吉 「金魚」
......
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...渡す事が出來なかつた...
千家元麿 「自分は見た」
...各寄宿舎に大きな三尺角の机を渡す...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...充分の会費を手渡す事を忘れるな...
太宰治 「新ハムレット」
...自分の周囲を見渡すと...
太宰治 「惜別」
...紙挟みを下男に渡す)じゃ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...伊藤侯が一方に於て早くも内閣を憲政黨に引渡すの準備を爲しつゝある間に閣下の屬僚は迂濶なる内閣相續策を畫して大に閣下の野心を煽揚したりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...「私から今すぐお敏へ渡すのも...
豊島与志雄 「子を奪う」
...線路の上に立つと、見渡すかぎり、自分より高いものはないような気がして、四方の眺望は悉く眼下に横わっているが、しかし海や川が見えるでもなく、砂漠のような埋立地や空地(あきち)のところどころに汚い長屋建(ながやだて)の人家がごたごたに寄集ってはまた途絶えている光景は、何となく知らぬ国の村落を望むような心持である...
永井荷風 「元八まん」
...定期券を求めるので、その金を渡す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...握り飯を食べ終って水筒を開けかけている青年に手渡す)青年 なんですか...
三好十郎 「おりき」
...逓信省で車掌に買って渡す時計だとかで...
森鴎外 「あそび」
...「おれを引き渡すなら引渡せ...
夢野久作 「鼻の表現」
...かん子は郵便で手紙を送るつもりかそれとも自身で自分に渡すつもりかとこれさへも彼には見當がつかなかつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...明け渡すにも、あっさりと、きれいであったが、取り返すにも、左の掌の物を右の掌へ移すぐらいな容易(たやす)さに思われた...
吉川英治 「新書太閤記」
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