...渡し場らしい小屋は何処(どこ)にも見えない...
芥川龍之介 「本所両国」
...さらに川下の細間の渡し場から渡った者もあり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...もとより気の利(き)いた料理屋などのある町でないのは分っていたから一時のしのぎに体をぬくめさえすればいいのでとある饂飩屋(うどんや)の灯を見つけて酒を二合ばかり飲み狐(きつね)うどんを二杯たべて出がけにもう一本正宗(まさむね)の罎(びん)を熱燗(あつかん)につけさせたのを手に提(さ)げながら饂飩屋の亭主がおしえてくれた渡し場へ出る道というのを川原(かわら)の方へ下って行った...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...渡し場にはいろいろなことがあった...
田山花袋 「田舎教師」
...渡良瀬川(わたらせがわ)の渡し場から中田に来る間の夕暮れの風はヒュウヒュウと肌(はだ)を刺(さ)すように寒く吹いた...
田山花袋 「田舎教師」
...つい眼のさきの丹波島(たばじま)の渡し場だって...
中里介山 「大菩薩峠」
...ことに米友は草鞋がけが渡し場の水でしめって少し堅いから...
中里介山 「大菩薩峠」
...まっしぐらに宮の七里の渡し場めがけて走っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...たんぼらめ!」「渡し場には渡し場の掟ちうもんがあるのを知らねますか?」「そぎゃん川破りをお達し申せば...
中里介山 「大菩薩峠」
...街から西の渡し場迄行って...
中島敦 「光と風と夢」
...ひどい事になるものだなア」渡し場を離れると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...弥八 渡し場へゆけ...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...ただ正面奥は左から右へ渡し場の通路になっているのと...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...この渡し場からは雪の岩木山が真正面に見える...
柳田国男 「雪国の春」
...万三郎は川俣の渡し場から...
山本周五郎 「風流太平記」
...そこはもと渡し場であったが...
山本周五郎 「風流太平記」
...「東の滝沢へ渡る渡し場さ」ときよきが答えた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...のろのろと渡し場にたどりついてそこで停止して渡し船を待った...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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