...けしからず物騒に候は何事にて候ぞ」と云ふ渡し守の詞と共に...
芥川龍之介 「金春会の「隅田川」」
...部屋を此方へ明け渡したのだと云うことでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...瞬(またゝ)く間にその残つて居る田地をも悉(こと/″\)く人手に渡して...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...これが充分に行なわれなければ法令をして制限を加えるぞといい渡した...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...途中で手折(たお)って来た槐(えんじゅ)のような木の枝を渡していうことには...
中里介山 「大菩薩峠」
...宗助は自分と火鉢の間に挟まっている青い封筒を取って細君に渡した...
夏目漱石 「門」
...確(しか)とお渡し申しました」多与里を送ってきた老女が...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...境内にはざっと見渡したところ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...血染の短刀を平次の手に渡しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...グレイス・プウルは繩を一本彼に渡し...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...春の海原のうつらうつらと霞んでゐる遠方などを見渡した...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...さすがに溝鼠とはいへ司令官だけあつて悠々として甲板上の合戦を見渡したのでありますが...
牧野信一 「船の中の鼠」
...ある日清治は藥罎と一所に一通の手紙を渡した...
水野仙子 「四十餘日」
...あなたを警察なんか渡しゃしません...
森本薫 「女の一生」
...荘園の始めには根本の開墾権者は空手でその地に臨み少分の地利を収めて満足するのみで地方の下受人が各自労力と資本とを携えて来てその招きに応ずるのであるから墾地はいまだ開かざる前にこれを各人に割渡したのである...
柳田國男 「地名の研究」
...……それは、もう、おととしの秋のことで、ございまするが」と、遺書らしい物を取出して、小次郎に渡した...
吉川英治 「平の将門」
...餞別(せんべつ)を渡しながら...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
...国々の武者どもへ向ってこういい渡した...
吉川英治 「源頼朝」
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