...さし渡し十四、五メートルはあろうか、庭園の中心を占めた不規則な楕円形(だえんけい)の池である...
江戸川乱歩 「影男」
...肩にせる二本の傘の一つを山神に渡して...
大町桂月 「越ヶ谷の半日」
...会社がその百貨店に売り渡した数量は二十五斤入り三千箱一万五千円であることを確かめ...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...僕に花束を手渡して...
太宰治 「パンドラの匣」
...又買取りました地面も必要がない時には元との本人に返してやると云ふ證明を渡して宜からうと思ふ...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...事務的に扱う人間に渡しては...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「ボヘミアの醜聞」
...巾着から銀貨をあらまし取り出して渡した...
徳田秋声 「足迹」
...五十ページの楽譜を渡して...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...蔭ながら冷(ひや)やかな引導(いんどう)を渡して...
中里介山 「大菩薩峠」
...綱田屋の主人が、爐の眞上に居たら、天井へ叩き付けられたかも知れないといふくらゐで」「で?」「綱田屋主人、命は無事だつたが、股から上の火傷(やけど)だ、――惡戲(いたづら)者は家の中に居るに違げえねえ、引つ捉へて八つ裂きにしてやる――といふ腹の立てやうだが、見渡したところ、娘も伜も居候も、多勢の奉公人も皆んな良い子ばかり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...残念なことにあなたの手にお渡しすることはできません...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...お渡しくださるとき...
久生十蘭 「あなたも私も」
...アズウィン医師とアンドルー医師のお二人が検死を申し渡して...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...そういう意味の申し渡しをした...
山本周五郎 「いさましい話」
...終るとそれを万三郎に渡した...
山本周五郎 「風流太平記」
...手紙を内証で渡したさについ頼んだものに違いない...
山本周五郎 「柳橋物語」
...蘆の葉隠れに渡し船の桟橋...
山本笑月 「明治世相百話」
...わたしがそう決めたと申し渡してあるし...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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