...紗(しゃ)のような幕を張り渡した...
芥川龍之介 「女」
...ちゃアんと俺は村長の職務引き渡しすっとき...
犬田卯 「荒蕪地」
...稿料の半額だけを明日渡し...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...だからぼくはあんたに名刺を渡した」「名刺をね...
梅崎春生 「幻化」
...その当日その場で令夫人を渡したように見せかけ...
海野十三 「奇賊は支払う」
...三藏は一昨日(をとゝひ)手紙を鶴子さんに手渡しする時初めて自分の使が格段な意味のものであることを了解したやうな譯で...
高濱虚子 「俳諧師」
...『……の時きたらん』――墓地の門の上に弓なりに渡したアーチに...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...再びお君の手に渡します...
中里介山 「大菩薩峠」
...だが、そんなことをやってみるがいい! 彼は写真の上に坐りこんで、渡しはしない...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...恰も自分の所有するものでも見るかのやうな慣れた眼付で海を眺め渡して居ります...
牧野信一 「砂浜」
...深い野心がある訳(わけ)でないがその人を僕の嫁に貰ったらちょうどいいだろうと思って今日は一つ外(ほか)の友人に橋渡しを頼もうと思っているのです...
村井弦斎 「食道楽」
...諸侍の中で城を渡して退去したいものは勝手に退去するが好い...
森鴎外 「栗山大膳」
...ダイヤの指環をサックに入れて渡しながら盛んに頭を下げた...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...かれらに金の分け前を渡して...
吉川英治 「大岡越前」
...彼奴(きゃつ)は蜂須賀一党の賊だぞ!」云い渡しているところへ...
吉川英治 「新書太閤記」
...浅野弥兵衛に渡してあるゆえ...
吉川英治 「新書太閤記」
...懐中(ふところ)から取り出したものをお綱の手へ渡した...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...これは誰へも同様にいい渡したことらしかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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