...種々の食べ物の誤魔化しほど非難すべきであり広く行き渡っているものはない...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...わたしから確かに返したといってこれを渡してください(そういって葉子は懐紙(ふところがみ)に拾円紙幣の束を包んで渡した)...
有島武郎 「或る女」
...四千億光年の大宇宙を渡りえられるものとは考えられない...
海野十三 「放送された遺言」
...突如響き渡るエンジンの音...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...新聞紙の殆ど一頁(ページ)を費した激情的な報道によって、この前代未聞の怪事件は、全国に知れ渡り、人々に絶好の話題を提供した...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...渡辺崋山の草虫帖の一つに...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...たいてい仏教と一緒に渡来した神様ならば「儀軌」といって祭式が明らかに教えられてある筈である...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...鳥渡出来ない仕事だな...
永井荷風 「来訪者」
...麗(うらら)かなる日影の大地を渡るに異ならず...
夏目漱石 「薤露行」
...家ごとその子も先方へ持っていったのです」「五万円のうち一万二千円ずつ三人の子につけて渡したのですからあまったのは幾らもありはしません...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...従僕が手渡した毛皮の帽子をかぶると...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...興行主が自由に使うようにと渡した懐中電燈で自分を照らすような見張りたちのほうがずっと好ましかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...早くも上がってきた頬に刀傷のある目の険しい五十彼是(かれこれ)の渡世人上がりの四谷杉大門の寄席の主へ...
正岡容 「小説 圓朝」
...と茂平は金を渡すと葦の茂りから再び舟をすべらせ...
室生犀星 「命」
...これは夜(よ)の明(あ)けぬ間(ま)に河内(かはち)へ越さうとして、身も心も疲れ果て、最早(もはや)一歩も進むことの出来なくなつた平八郎父子(ふし)と瀬田、渡辺とである...
森鴎外 「大塩平八郎」
...漕ぎ渡し来る数十人の捕吏(とりて)の面々を血刀にてさし招きつゝ...
夢野久作 「白くれない」
...渡守の役目を引受けて居る...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...兄の時計を渡してくれた...
吉川英治 「折々の記」
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