...「己(おれ)が渡(わたる)を殺さないとすれば...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...またその反対の横の方の奴にその端を渡している...
大杉栄 「鎖工場」
...近頃めりけんからでも渡んなすったかね? といいたげな...
谷譲次 「踊る地平線」
...今度前項で「泣く」現象の発生条件としてやはり緊張から弛緩への過渡をあげたのであるから...
寺田寅彦 「自由画稿」
...榮之助が自分宛の手紙を他人によつて飜譯される以前に讀んだかどうか? 別送の「状紙」が榮之助の手に渡つたかどうか? また榮之助がポートマン書面のごとく昌造へ「傳聲」したかどうか? ましてや「状紙」が昌造にもわけられたかどうか? 私にはまるでわからない...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...わたしは自分の財産を引き渡してしまったのですが...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...人に株を譲り渡したのがこっちの抜かりでございました...
中里介山 「大菩薩峠」
...かえって渡る世間に鬼はなしという道理で...
中里介山 「大菩薩峠」
...江戸の夜は靜かに更け渡ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親分が橋を渡って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二銭お引きすることになって居ります」金五郎に切符を渡した臨時車掌は...
火野葦平 「花と龍」
...童子一人立って松王に盃を渡す...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...見渡す限りの往来も屋根もみんな人間ばかりで...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...石の挽臼が行き渡らなかった世には...
柳田國男 「食料名彙」
...ちょうど阿剌比亜(アラビヤ)の沙漠を渡る隊商ですね...
夢野久作 「狂人は笑う」
...阿波入国の前にお才へ渡したものであろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...一つ一つ渡されると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そしてC―家は昨年この山の木を或る製紙會社に賣り渡した...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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