...時というものをゆるゆるすり減らすやすりのように日がな日ねもす聞こえていた...
有島武郎 「或る女」
...其間が抜けた無駄口に華客(おきやく)を減らす事もなく...
石川啄木 「天鵞絨」
...地下の水蒸気は、此の穴によつて、地球の外へ出で、地震の数を少くし、災難を減らす...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...身代を作るよりは減らす方が上手(じょうず)で...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...なんでも下駄の内側を擦り減らすのは角力取りに多いので...
大阪圭吉 「幽霊妻」
...これは持ち運びのために重量を減らすつもりで...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...過剰の人口を減らす方が可う御座んすよ...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...診察室で椅子をすり減らすことだけです...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...一人でも減らすのを功徳のように考えていたが...
徳田秋声 「黴」
...それが生命をすり減らすであろうとの懸念は...
中島敦 「光と風と夢」
...そして思い切って水蒸気の供給を減らすと...
中谷宇吉郎 「雪を作る話」
...何とかしても少し減らすように...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...ほんとうはこの余分な金で社長に対する父親の負債をもっと減らすことができ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...もし人々が直ちにその消費を従前の半分に減らす気になるならば...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...或る種のオッチョコチョイな作家が工場から工場へと鉛筆をもって飛びまわるという厄介を減らすかもしれない...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...生み増しまた減らす力のある・形もなく感情もない・自然こそ神であると言った...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「彼は不服を云わぬか」――私はもっと減らすつもりでいます...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...しかしそれは客との応対によって精力を使い減らすということを防ぎ得るものではない...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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