...渚には打ち寄せる浪の音のほかに時々澄み渡った蜩(ひぐらし)の声も僕等の耳へ伝わって来た...
芥川龍之介 「海のほとり」
...昭和十五年初乗や由井(ゆい)の渚(なぎさ)を駒(こま)並(な)めて一月一日厳(おごそ)かに注連(しめ)の内てふ言葉あり凍土(いてつち)につまづきがちの老の冬羽子板を犬咥(くわ)へ来し芝生(しばふ)かな一月八日 笹鳴会...
高浜虚子 「五百五十句」
...渚へおりると船頭小屋には四五人で榾火を焚いて居る...
長塚節 「鉛筆日抄」
...稲村ヶ崎の切通しの下までつづく長い渚には...
久生十蘭 「あなたも私も」
...渚から白砂の浜に...
火野葦平 「花と龍」
...渚の暖い砂の上で退屈な...
牧野信一 「砂浜」
...走ってその渚(なぎさ)に行って...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
......
三好達治 「艸千里」
...みな遠く渚をすぎゆきけり...
三好達治 「測量船拾遺」
...渚づたひに急に人聲がして懷中電燈の光がいりみだれ...
室生犀星 「渚」
...渚ぎはではやつとリヤカーの上に乘せようとしてゐる一人の人間の...
室生犀星 「渚」
...あとは人のゐない渚の齒がしらが順序よく波のかたちを作つて...
室生犀星 「渚」
...その渚の線さえが見えなかった...
山川方夫 「その一年」
...船は漂い出して渚(なぎさ)から一丈を離れていた...
吉川英治 「三国志」
...南は筥崎(はこざき)ノ宮(みや)から北は香椎手前(かしいでまえ)の丘陵線までの渚(なぎさ)一里半...
吉川英治 「私本太平記」
...倒映湖の冬枯れた渚(なぎさ)に垣もなくつづいている...
吉川英治 「随筆 新平家」
...渚にはまるで毒茸(どくたけ)の園生(そのう)のように...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...かすかに渚をあらう波が...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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