...しばらくは黙ってこう言う渚に寄せて来る浪を眺めていた...
芥川龍之介 「海のほとり」
...漣(さざなみ)の寄する渚(なぎさ)に桜貝の敷妙(しきたえ)も...
泉鏡花 「一景話題」
...成程、渚のではない...
泉鏡花 「薄紅梅」
...枝には白き渚(なぎさ)を掛け...
泉鏡花 「婦系図」
...其内に私部主從は渚より二十間許り離れた木立の蔭に馬を降りる...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...一一 天の階段から下に浮渚があつてそれにお立ちになつたと解されている...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...渚に舟の音がした時彼女は急いで其処へ立ち出でた...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...」河の渚(なぎさ)には...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...磯(いそ)はマチスの絵にあるような渚(なぎさ)だ...
林芙美子 「生活」
...稲村ヶ崎の切通しの下までつづく長い渚には...
久生十蘭 「あなたも私も」
...みなその気になって、さっそく支度にかかり、わずかばかりの粮米と鍋釜、手廻りの道具を入れた木箱一つ、斧一梃(いっちょう)を持って小舟に移り、渚をさがして、そこから島にあがった...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...渚の岩蔭に潜んで...
牧野信一 「鏡地獄」
...ここは伊勢(いせ)の海ではないが「清き渚(なぎさ)に貝や拾はん」という催馬楽(さいばら)を美音の者に歌わせて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「寄辺(よるべ)なみかかる渚(なぎさ)にうち寄せて海人も尋ねぬ藻屑(もくづ)とぞ見し御無理なお恨みです」代わってこう言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かれは窃(そっ)と腰掛を離れ渚の方へ向いて歩き出した...
室生犀星 「みずうみ」
...第四は倉成竜渚(くらなりりゆうしよ)である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
......
山之口貘 「山之口貘詩集」
...此様(こんな)風な渚(なぎさ)も長く見て居る中(うち)にはもう珍らしく無くなつて東海道の興津辺(へん)を通る様な心持になつて居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
便利!手書き漢字入力検索