...いつまでも用ある秋の渋団扇(しぶうちわ)九月二十日 銀座探勝会...
高浜虚子 「六百句」
...渋団扇(しぶうちわ)で蚊を追いながら実にうまそうに杯(さかずき)をなめては子供等を相手にして色々の話をするのが楽しみであったらしい...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...下女まかせにはして置けない白魚(しらうお)か何かの料理を拵(こしら)えるため台所の板の間に膝をついて頻(しきり)に七輪(しちりん)の下をば渋団扇(しぶうちわ)であおいでいる...
永井荷風 「妾宅」
...それでも一茶自身の書いた発句帳、これはその頃の有名な俳人の句を各州に分けて認(したた)めたもの、下へは罫紙(けいし)を入れて、たんねんにしてあった、これと位牌(いはい)、真中に『釈一茶不退位』とあって、左右に年号のあるもの、これだけは大切に保存していました」俳諧師は、話しながら、渋団扇だの、付木っ葉だのを取り出して良斎に見せました...
中里介山 「大菩薩峠」
...七輪の側の渋団扇(しぶうちわ)が燃え出したんだよ」ガラッ八は外から入って来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「誰だい? 隠し芸を、凄い奴を知ってるなあ」という声がかかると、林田は、片手はハーモニカを離す訳にはいかないが、片手には、二月の天龍谿谷の、七十年振りの厳寒というのに、渋団扇を持って、手振り足振り、お睦ちゃんの変装で、舞台へ現われるのだった...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...渋団扇(しぶうちわ)で七輪のお尻をひっぱたいている」千々子さまは...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...それは渋団扇だった...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...団扇は団扇だが渋団扇でげす...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...日本人の家では床の間へ三百円も五百円もする名画をかけておきながら台所へ往ってみると箍(たが)の嵌(はま)った七厘の下を妻君が破れた渋団扇(しぶうちわ)で煽(あお)いでいるような事もある...
村井弦斎 「食道楽」
...新しい渋団扇(うちわ)を二...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...そのために挿(さ)いて来た腰の渋団扇じゃ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...三本の渋団扇を縄の帯に挿したまま...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...粗略にした渋団扇の神様に取憑かれて...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...「これは……お手ずから恐れ入りまする」赤猪口兵衛は腰に挿した渋団扇を一枚取ってサラサラと筆を揮って差出した...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...「この渋団扇は何かいな」良助は並んでいる渋団扇の一枚を取上げた...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...渋団扇(しぶうちわ)を取りよせて...
吉川英治 「新書太閤記」
...のろけるからよ」親方は渋団扇(しぶうちわ)で...
吉川英治 「宮本武蔵」
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