...筆の渋りに汗ばみ乍ら此苦業を続けるのだ...
石川啄木 「葬列」
...他より見ればをかしく見ゆべし」とあるは毎月書肆(しょし)から若干ずつ資給されていた義理合上余儀なくされて渋りがちなる筆を呵(か)しつつ拠(よんどこ)ろなしに机に向っていた消息を洩らしたのであろう...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...作者の筆は渋りがちである...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...筆は渋りがちでありました...
豊島与志雄 「古木」
...オリヴィエはその朦朧(もうろう)とした言い渋りがちの魂を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」奉行は流石(さすが)にやゝ云ひ渋り乍ら云つた...
長與善郎 「青銅の基督」
...やっとの思いで渋りながら低い奴を少々出すと驚いた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...大渋りの親父を説き落して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...奴は拒絶して、渋り、出て行けと言うだろうが、最後には折れるだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...「県会」の渋りきつた沈うつな文章には...
牧野信一 「月評」
...少し渋りながら答えた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...今日は時計までがいつもの渋りがちでないかのやう...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...島田や光井での経験を思い出すと気が渋ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...九郎右衛門は渋りながら下関から舟に乗って...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...徹夜だったんですよ」寝衣の前をかき合せて慶太郎が渋りながら降りてきた...
矢田津世子 「女心拾遺」
...またも急き立てられると渋りながらも...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...王の顔は渋りながら眠りに落ちる犬のように傾き始めると...
横光利一 「日輪」
...阿女(あま)め」腹の渋りだすたびに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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