...他より見ればをかしく見ゆべし」とあるは毎月書肆(しょし)から若干ずつ資給されていた義理合上余儀なくされて渋りがちなる筆を呵(か)しつつ拠(よんどこ)ろなしに机に向っていた消息を洩らしたのであろう...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...でもあなたの御都合で……」と僧は渋りがちに言った...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...作者の筆は渋りがちである...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...オリヴィエはその朦朧(もうろう)とした言い渋りがちの魂を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...渋りて物を出さぬ家は会釈もなく踏込で或は鋪(みせ)をうち毀し家内を乱暴に及ぶにぞ...
中里介山 「大菩薩峠」
...」奉行は流石(さすが)にやゝ云ひ渋り乍ら云つた...
長與善郎 「青銅の基督」
...自分は渋りながら...
夏目漱石 「行人」
...苦(にが)く渋り出した...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...半十郎はさすがに渋りましたが...
野村胡堂 「江戸の火術」
...さすがに本人は言い渋りましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大渋りの親父を説き落して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お余乃は一応も二応も渋りましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...妙に渋り勝な松村の詞を聞いてはあせり気味にならざるを得なかつたのである...
平出修 「瘢痕」
...悌二がそれを苦にして学校へ行き渋りこの頃は学校をやめると云い出している...
「海流」
...またも急き立てられると渋りながらも...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...妙に塩野の受け答えが渋りがちにっかえ...
横光利一 「旅愁」
...また腹が渋り出して...
吉川英治 「新書太閤記」
...ちと脚気(かっけ)の気味で……」などと渋りだしたものである...
吉川英治 「新・水滸伝」
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