...形許(かたばか)り飯を済まし...
石川啄木 「天鵞絨」
...異(おつ)う済まして...
泉鏡花 「薄紅梅」
...お尋(たずね)の件を済ましてからの事にしよう...
泉鏡花 「縁結び」
...他所様(よそさま)のお子供衆を片輪にして私がこれは馬鹿ですからと済ましてはをられません...
伊藤野枝 「白痴の母」
...この不しだらな夫人のために泥を塗られても少しも平時の沈着を喪(うしな)わないで穏便(おんびん)に済まし...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...油断を見済まして引攫(ひっさら)うものだが...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...既にひと通りの下調べを済ました保線課の係員を案内役として...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...勘定を済ましてそろ/\出掛けようとすると...
薄田泣菫 「茶話」
...すっかり済ましてくれるのである...
豊島与志雄 「牛乳と馬」
...千代乃の葬式は簡単に済まし...
豊島与志雄 「どぶろく幻想」
...振りの客になり済まして上り込み...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...やがて食いかけた食事を済まして来るとか云って室(へや)を出て行った...
夏目漱石 「思い出す事など」
...六通りの叙述の説明を済ましました...
夏目漱石 「創作家の態度」
...屏風の陰で耳を済まして頑張っているというじゃありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...刑を済ました私は院長に引取られた...
松永延造 「職工と微笑」
...素(もと)より絵かきの気楽な境涯も早(はや)親兄への暇乞(いとまごい)も済まし...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...御挨拶だけを済ましてまたここへ戻ってまいります」「まア...
吉川英治 「江戸三国志」
...夜光の短刀のことについてもいろいろ打合せを済まして...
吉川英治 「江戸三国志」
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