...江尻も興津も直(じ)きそこだし、まだ知りませんが、久能山だの、竜華寺だの、名所があって、清見寺も、三保の松原も近いんですから、」富士の山と申す、天までとどく山を御目にかけまするまで、主税は姫を賺(すか)して云った...
泉鏡花 「婦系図」
...清見(きよみ)寺などへ...
泉鏡花 「婦系図」
...私は貨物船清見丸へ壮平親子を見送(みおくり)にいった...
海野十三 「疑問の金塊」
...清見丸は静かに動き出した...
海野十三 「疑問の金塊」
...拜呈清見寺侍衆閣下」といふのであるが...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...駿河の磯邊をゆきくらして江尻までたどり行かむとてよめる清見潟三保のよけくを波ごしに見つゝを行かむ日のくれぬとに十八日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...(昭和三十年「国立公園」)北アルプスの秘境――清見ヶ原と穂影ノ池――登山路が縦横にひらけ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...細長い一筋町を清見寺(せいけんじ)の方へ歩いた...
夏目漱石 「門」
...曰く 類ひなき富士ぞ起れる清見潟駿河の海は紫にして 大いなる駿河の上を春の日が緩く行くこそめでたかりけれ春の海いま遠方(をちかた)の波かげに睦語りする鰐鮫思ふ終日のたりのたりかなでは曲がない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...うちのガールスの中、清見他二名来り、テストして貰ふ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...阿曽沼夫妻が来り、町へ出ると子供の頃よく行ったマルヤ玩具店へ寄る、今はキャメラ材料店なり、小母さんと久濶を叙し、加藤丹二・阿曽沼夫人と清見官舎を見に行き、清見校に寄り、自動車で八幡へ引かへす...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...大日窃(ひそ)かに侍者を呼んで言いけるは景清見参疲れたり...
南方熊楠 「十二支考」
...中部地方でも飛騨の清見村有巣などは...
柳田國男 「食料名彙」
...中部地方でも飛騨の清見村有巣(ありす)などは...
柳田國男 「食料名彙」
...清見(せいけん)寺の和尚様が見えました時に...
夢野久作 「斬られたさに」
...駿河の清見寺を訪ふ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...まだ日は高いしいつそ靜岡まで伸して置かうと急ぎ足に宿はづれの清見寺に詣で...
若山牧水 「樹木とその葉」
...冬田中あらはに白き道ゆけばゆくての濱にあがる浪見ゆ(五首静浦附近)田につづく濱松原のまばらなる松のならびは冬さびて見ゆ桃畑を庭としつづく海人(あま)が村冬枯れはてて浪ただきこゆ門ごとにだいだい熟れし海人が家の背戸にましろき冬の浪かな冬さびし靜浦の濱にうち出でて仰げる富士は眞白妙なりうねり合ふ浪相打てる冬の日の入江のうへの富士の高山(二首静浦より三津へ)浪の穗や音に出でつつ冬の海のうねりに乘りて散りて眞白き舟ひとつありて漕ぐ見ゆ松山のこなたの入江藍の深きに(四首江の浦)奥ひろき入江に寄する夕潮はながれさびしき瀬をなせるなり大船の蔭にならびてとまりせる小舟小舟に夕げむり立つ砂の上にならび靜けき冬の濱の釣舟どちは寂びて眞白き富士川の鐵橋を過ぎて岩淵蒲原由比の海岸、興津の清見寺、さらに江尻から降りて三保の松原に到るあたりのことを書くべきであらうが、蒲原由比は東海道線を通るひとの誰人もがよく知つてゐる處であらうし、三保にもさほど私は興味を持たぬ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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