...清純な祈りであると思った...
太宰治 「作家の手帖」
...何人(なんぴと)にせよ清純な愛などはあるものでないとは知りながらなおかつ漠然とその要求を心に感ずるという事実――これは果たして偏見だろうかね...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...何ものかに對する清純な和(なご)やかな信念が...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...清純な花の咲く余地はあるまい...
豊島与志雄 「ジャングル頭」
...それら二つの光りが彼女を清純なものに見せました...
豊島与志雄 「道標」
...本当に清純な反抗心が起るものだと...
豊島与志雄 「肉体」
...清純な一徹な光りに澄みながら底に謎を含んだような彼女の眼が...
豊島与志雄 「反抗」
...銀座は明朗な清純な一隅を用意してやらなければなるまい...
豊島与志雄 「風俗時評」
...かりそめの清純な感情が塗りつぶされてみると...
中里介山 「大菩薩峠」
...清純な美しい物音...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...枝から取り立ての果物のような清純な感じのする娘でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あまりに清純なのと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...掃溜(はきだめ)に鶴の降りたやうな清純な感じのするのが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...革命を戦った古典アメリカの清純なアンビションをみる...
服部之総 「望郷」
...非常な清純な気持ちを見せる...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...清純な、漲り切つた、熱烈な雄辯の溢れ出る泉(いづみ)を支へきるほど、そんなに大きな、そんなに強い心を、十四歳の少女が持つてゐるだらうか? かうした印象が、私には忘れられぬ晩の、ヘレンの話の特徴であつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...清純な処女美(おとめび)は増しているようにすら彼には見える...
吉川英治 「篝火の女」
...あの土くさい田舎に自分を待つといってくれた人の清純な尊さがわかって来て...
吉川英治 「宮本武蔵」
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