...何人(なんぴと)にせよ清純な愛などはあるものでないとは知りながらなおかつ漠然とその要求を心に感ずるという事実――これは果たして偏見だろうかね...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...文学という潔白清純な形式で普及させようとした自分の政治的思想や社会的思想を...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...――きわめておとなしい小娘のような清純な様子をし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...清純な花の咲く余地はあるまい...
豊島与志雄 「ジャングル頭」
...この日本的ということについて所説の詳細は分らないが、概略すれば、謙抑な観照、清純な哀感、さびとかしおりとかいう言葉に含まれる情緒的格調、などに於て理解されていたらしい...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...清純な自然の姿に慕いよる登山の客は...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...なんとなく清純な趣を添えて...
野村胡堂 「悪人の娘」
...枝から取り立ての果物のような清純な感じのする娘でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...清純なよさが溢れて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...清純な恋そのものでなくてはならない...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...街の菜の花よ、清純な気持ちで、まっすぐに生きたいものだと思う...
林芙美子 「新版 放浪記」
...非常な清純な気持ちを見せる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...眞鍋はかうした若い男の清純な旅愁も羨ましいと思つてゐた...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...寛濶な新月の眉も、清純な頬の色も、何もかも、あの夜のままだった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...それはたんに用語文章が素朴清純な点で他のすべての作家にまさっているからでも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自分が満洲里の国境を突切って入って来たときに感じた清純な心の呼び声を...
横光利一 「旅愁」
...あなたのような清純なお人には...
吉川英治 「篝火の女」
...あまりに清純なんですよ」「清純? ……そんなことばを聞くと...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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