...偶(たま)には清い初秋の風が習々と高原を吹いてゆくやうな美しい日に出會ふことがあつた...
近松秋江 「箱根の山々」
...外の清い空気が吸いたかったのです...
豊島与志雄 「男ぎらい」
...清い鋭い歌を小鳥がさえずっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あの清い素純な香もよい...
豊島与志雄 「蓮」
...その起きたばかりの清い素肌の顔の中には...
豊島与志雄 「反抗」
...わたしは地の神ぢゃ」「かりに小犬に姿をやつして」「人間界に来て見れば」「思ふにはにずざんこくなものだ」「しかし其の中にはお前の様な」「心の清い情深い人もある」「いや実にお前は感心だ」「その心にめでて古来いくたの人のたんけんしやうとして及ばなかったこの宝は」「皆お前にやる」「ヘヘッ」太郎は思はずそこにひれ伏しました...
槇村浩 「小犬と太郎さん」
...比ぶべくもない清いものに思はれた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...自分は全然違った清い扱いを宮にしよう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...中宮などに対しても清い父親としてだけの愛以上のものをいだいていないのではない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...子なども持たない清い身を持ってあの世へ行きたい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人々は阿闍利さまの清いお心が村に行きわたるような思いで...
室生犀星 「あじゃり」
...」和泉もまた同様清い水に杯をそそいで...
室生犀星 「姫たちばな」
...それがみんな清い空気と河の広い見晴しとに...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...まったく清い愛情には多少の譲歩をせねばならない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...水の底から忽ち清い砂を吹き出すというのは...
柳田國男 「日本の伝説」
...一個人としての飽く迄も清い...
夢野久作 「江戸川乱歩氏に対する私の感想」
...清い、新しい理想の光りをふり仰いで、一心に働く女性の姿が連想される...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...どこにそんな清い社会(せけん)があったか...
吉川英治 「親鸞」
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