...極めて単純清素にして...
高木敏雄 「比較神話学」
...僕がそれを片はしから清書いたしますから...
太宰治 「『井伏鱒二選集』後記」
...どうしたの?(清蔵) すみません...
太宰治 「冬の花火」
...ずっと清潔であり...
徳田秋声 「縮図」
...清さんは逃げ出して台所へ行き...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...この日本的ということについて所説の詳細は分らないが、概略すれば、謙抑な観照、清純な哀感、さびとかしおりとかいう言葉に含まれる情緒的格調、などに於て理解されていたらしい...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...恋に必要な刺戟(しげき)の起る清新な感じが失われてしまうように考えています...
夏目漱石 「こころ」
...菊次郎と清五郎は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後世の仮名において区別せられる濁音の仮名二十に相当する音が清音のほかにあったこと明らかである...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...一月十二日(金曜)十一時半から芝三椽亭で清和婦人会の新年会...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...清川虹子も映画の方で駄目なので...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...他は雲煙模糊たる霞をとほして遥かなる清浄の空へ翼を伸さんものと悶掻いてゐるのだ...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...天台縣(てんだいけん)の國清寺(こくせいじ)をさして出掛(でか)けることにした...
森鴎外 「寒山拾得」
...「さっき早水さんの云った、神社が超理論で存在するという点だけれど、超理論というと蒙昧(もうまい)という意味になりはしないかね」「宗教というやつは元もと蒙昧なものじゃないのか」裸になると驚くほど逞(たくま)しい肉付の、広い胸を平手で擦りながら、秀之進は悠(ゆっ)くりとこう云った、「……仏教の経典を読んでも、よくは知らないが切支丹(キリシタン)の聖書というのを覗(のぞ)いてみても、道徳律以外は奇蹟と安心立命の保証に充満している、詰り現実の汚穢(おわい)と苦悩と悪徳、それに死の恐怖というもの、人間の力でうち克つことの困難な、苛烈な現実から救いを求めるところに宗教の起源はあると思う、だからその国土の自然的条件に恵まれないところ、社会状態が持久的に安定しない処では宗教の伝播(でんぱ)が旺(さか)んだ、精(くわ)しくは云えない、日本はその点でずいぶん違うんだ」「早水さんの嫌いな万邦無比というやつですか」「まあ聞きたまえ」彼は裸の膝を立て、それをこう両手で抱えた、「日本は気候風土も社会状態も、最大多数の人間にとっては恵まれている、安南、カンボジャ、呂宋(ルソン)などという南方地方では、肥料もやらず蒔きっ放しで稲が年に二回も三回も穫(と)れるという、稲は南方常夏の土地が原産だそうだ、我われはその米を唯一といってもいいほどの主食にしている、地味が違うから稲を作ることは原則として無理だ、その証拠は史書をみたまえ、殆んど全国的凶作と饑饉(ききん)の例は挙げる煩に耐えないほど多い、にも拘らず我われは米から離れることを欲しないで、原則的には無理な稲の耕作を続けている、……これは日本の気候風土の特徴なんだ、周期的に凶作がくるけれども、最大多数の国民が飢えるほど決定的ではない、では余剰して国民の多数を富ませるだけ有るかというと、もちろんそれほどの持続的収穫は望めない、要するにやや不足という状態が連綿と続いているんだ」「宗教論からだいぶ飛躍しますね」「いやそのことを云っているのさ」秀之進は平然と天床を見あげた、「……社会状態も同じようだ、歴史の転変は少なくなかったが、概して最大多数の国民とは無関係なところで行われた、平氏が天下を取ろうと、源氏が政権を握ろうと、農夫町民に及ぼす影響はいつも極めて些少(さしょう)だった、云ってみれば、平氏になっても衣食住が豊かになる訳ではないし、源氏になったから飢えるということもない、合戦は常に武士と武士との問題だし、城郭の攻防になれば土着の民は立退いてしまう、戦火が収まれば帰って来てああこんどは源氏の大将かといった具合なんだ、……いいか、この二つのうえに豊富な自然の美がある、春の花、秋の紅葉、雪見や、枯野や、螢狩り、時雨(しぐれ)、霧や霞、四季それぞれの美しい変化、山なみの幽遠なすがた、水の清さ、これらは貧富の差別なく誰にでも観賞することができる、夏の暑さも冬の寒気も、木と泥と竹と紙で造った簡易な住居で充分に凌(しの)げる、……こういう経済地理と政治条件の下では、どうしても宗教に救いを求めなければならないという状態は有り得ないんだ」「然し実際にはあれだけ悲惨な迫害史を遺した切支丹もあるし、現在だって仏壇のない家や、寺院のない村はないでしょう」「切支丹騒動は一部の狂信的事件に過ぎない、真理というものは圧迫の激しいほど強力になるものさ、仏教はたしかに普遍した、然しそれは特権支配者のあいだに政治手段として取上げられたもので、仏教に救いを求めざるを得ない人たちに依って相伝えられたものじゃない、だから、仏壇を飾り寺参りはするが、仏教そのものに就いては大多分がなんの知識も持ってはいないだろう、ここでも、文句なしに神社へぬかずく性情が顕われているんだ」「結論はどっちでもいい、そういうことになるんですな、うん」大助は湯槽(ゆぶね)の中へ躯(からだ)を沈めながら云った、「……そいつは然し重大な問題ですよ、宗教に就いてそう無関心でいられるということは、生活に就いても大きい積極性が要らないということになりますからね」「その言葉を私はこう直したいんだ、幕府が潰れようが、朝廷の御政治になろうが、己たちにとっては大したことじゃない、……これを更に押進めてみよう、亜米利加(アメリカ)が来ようが魯西亜(ロシア)が来ようが、己たちの知ったことじゃあない、……わかるか大さん」「どうも然し、どうも、そういう傾向は動かないようだな、残念ながら」「宗教が正しく、根強く発達しないというくにがら」秀之進もこう云いながら湯槽へはいって来た、「……この不幸なくにがらに絶えず中心となって在(おわ)すのが天皇だ、誰が覇権を握ろうと、誰が政治を執ろうと、天皇だけはそれに関わりなく、恒(つね)に国民ぜんたいの中心に在す、そして天皇と我われのあいだにはなんらの契約もない、その在すがままで至上の中心なんだ、歴史の語るとおり、権力の争奪には天皇を擁することが正義の肯定になった、だから在すことの尊さと純粋さが高ければ高いほど、これをあやまるときは禍いも決定的になる、……このまえ云った根本論はそこなんだ、王政復古は徳川幕府の倒壊で終るのじゃあない、幕府に代る勢力が天皇を擁することを打破し、国民ぜんたいの中心として在す状態まで、持ってゆかなくてはならないんだ」風呂から上って昼食をとった...
山本周五郎 「新潮記」
...最後の身清めと一献(こん)をゆるし与えるぐらいな寛度は...
吉川英治 「私本太平記」
...城将清水宗治の首差し出すこと...
吉川英治 「茶漬三略」
...分りましてござります』清音の愛は...
吉川英治 「山浦清麿」
...仏菩薩像の目の清浄と端正とが実は嬰児のそれを借りたものではないかと思いついたのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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