...人生の苦艱を増盛することによつて平淺と無味とから脱却することであるかも知れない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...春まだ淺き夜寒の風に...
大町桂月 「杉田の一夜」
...紫、淺黄、赤の三本の蝙蝠傘からも眞白き手に各ハンケチを振る...
高濱虚子 「俳諧師」
...煩惱劫苦(ぼんなうごふく)の浮世に非道の權勢を貧り給ふ淺ましさ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...淺ましい野心と嫉妬と猜疑とがあつた...
「修道院の秋」
...千兩になるのを樂しみに働いて/\働き拔いたのです」お濱は淺ましいことのやうに語り續けました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...したゝか淺吉に頬桁(ほゝげた)を毆られて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...淺葱色(あさぎいろ)の股引は海藻(もくづ)を綴(つゞ)つたやうに繼(つぎ)だらけです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すつかり女に成りきつたお光の肉體は明るい朝の陽を浴びて淺ましいほどまざ/\と曝(さら)されて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...とくと思ひ出して見ろ」「さう/\淺草橋の自身番と...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...俗語の所謂「調子づく」や「口調のよさ」やを淺薄幼稚なものとして擯斥する...
萩原朔太郎 「青猫」
...私が淺(あさ)ましい程酷(ひど)くお前に當ると云ひ張つたときのお前のあの小兒(こども)らしくない眼付と聲を...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...淺間の遠き噴煙を望むべし...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...自分が受けた淺ましい目を...
三好十郎 「肌の匂い」
...草の淺處(あさど)に水もある...
室生犀星 「末野女」
...淺草菊屋橋の近所に住はせてゐた...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...社員としての年歴も淺いぼくでもあつたが...
吉川英治 「折々の記」
...この中に「信州淺間の頂上から云々」とある...
若山牧水 「樹木とその葉」
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