...孤愁を抱えたまま、彼は深酒にふけった...
...――生憎(あいにく)妖婆は前の晩に深酒をして...
海野十三 「軍用鼠」
...たぶんこんな深酒が祟(たた)っているのだろう...
高村光太郎 「ヒウザン会とパンの会」
...調子がいけない」前々日の深酒や雪風の中を歩いたのが影響したのであらうか...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...なぜそう深酒をするのか...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...こんなふうに深酒をする...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...私は虚勢を張るために深酒をのんで...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...その頃から殊に、B君の深酒が、時には自暴自棄かと思われるほどの深酒が初まったとのことである...
豊島与志雄 「必要以上のもの」
...最初の夜の深酒がたゝつて...
林芙美子 「浮雲」
...深酒に酔って、しばらくごうごうといびきをたてて眠ると、夜中になって、与平は本能的に何かを求めた...
林芙美子 「河沙魚」
...金五郎と対等に飲んでいるのに、男の方は、深酒とともに、意識不明になって行き、女の方は、いよいよ、青くなって、冴えかえる...
火野葦平 「花と龍」
...深酒して憂さを晴らすほどに不利になる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...ひどい深酒ばかりしては囃子哀しい法善寺横丁の花月や紅梅亭へ...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...自分は今相変らずの深酒をしているけれど...
正岡容 「寄席」
...横になつて見ると深酒(ふかざけ)の名殘は蒸暑く胸から上に押上げて來た...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...あんまり深酒しちや駄目だよ...
三好十郎 「地熱」
...深酒ばかりやっていたときの子だから...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...その前後から、父の仕事はうまくいかなくなっていたようだが、躯(からだ)も眼にみえて衰弱し、それをまぎらわすためだろうか、深酒を飲みだし、道傍(みちばた)に酔いつぶれているのを人に教えられて、母と辰弥とで伴れ帰りにゆくようなことも、幾たびかあった...
山本周五郎 「季節のない街」
...とはいえ、その道誉、その高時、側臣すべてが、昼からの深酒で、泥の如くみな大酔していた最中(さなか)の出来事だったのだ...
吉川英治 「私本太平記」
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