...二葉亭の伯父(おじ)で今なお名古屋に健在する後藤老人は西南の役に招集されて...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...屡々(しばしば)咳(せき)をしておられたのが今なお耳に残っている...
大隈重信 「新島先生を憶う」
...今なお現存している店は...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...その尻(し)っ尾(ぽ)はそれを着ていた牡牛がスパニッシュ・メーン〔南米の東北海岸地方〕の大草原を走りまわっていたときにもっていたよじれと押っ立った角度とを今なお維持している――それはすべて頑迷さの象徴であり...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...あるいは印度においては今なお種姓(カスト)の観念が依然としてはなはだしく...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...今なおその痕跡を留めているにしても...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...庸三の心には今なお割り切れないものがあった...
徳田秋声 「仮装人物」
...私どもがどんなふうにお別れしたかを思い出しますと――私は今なお不思議でならないくらいで……...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...現今なお古い神聖な九谷焼を護(まも)っている少数の人々のことは殆(ほとん)ど知られていない...
中谷宇吉郎 「九谷焼」
...戦場で倒れる以上にもっと多くの人たちが死亡し今なお死亡し続けている...
アーサー・ヒル・ハッサル Arthur Hill Hassall, M.D. 水上茂樹訳 「食品とその混ぜ物処理」
...*231「文は人なり」この古めかしい文句が今なお通用するとすれば...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...もっとも今なおその各所に散見いたしますのは...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...これは我々が今なお行っているところである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...今なお生気に充ちる...
柳宗悦 「工藝の道」
...今なお千年近き仕事を続けて居ります...
柳宗悦 「北支の民藝(放送講演)」
...今なおここに二官やヨハンにまでうけつがれて来ています...
吉川英治 「江戸三国志」
...この春、張繍(ちょうしゅう)を討つべく遠征して、かえって惨敗を負って帰ったので、彼の絶大な自信にゆるぎがきたのか、また多情多恨な彼のこととて、今なお、芙蓉帳裡(ふようちょうり)の明眸(めいぼう)や、晩春の夜の胡弓の奏(かな)でが忘れ得ないのか――とにかく、この秋の彼の姿は、いつになく淋しい...
吉川英治 「三国志」
...そして、彼の擁していた大艦巨船小艇――はすべて影を没し、或いは今なお、猛烈に焼けただれている...
吉川英治 「三国志」
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