...そして私たちはとうとう波のない時には腰位まで水につかるほどの深味に出てしまいました...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
...極端な個人主義の理屈といっしょになってだんだんに深味にはいってきたのです...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...彼女の本当の『苦しみ』が其処で深味をましたのです...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...その唯一のおどかしは凡(すべ)ての人に役立つ丈(だ)けの深味も強みも持つてゐません...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...また深味と強みが態度の上に出て来るといゝと思ひます...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...深味の無いこと...
太宰治 「女生徒」
...限られた日本の生活の深味のない事がしみじみ感じられます...
永井荷風 「監獄署の裏」
...曲もモーツァルトの晩年を特色づける深味がある...
野村胡堂 「楽聖物語」
...もう少し深味のある...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...なんともいえない深味のある微笑を浮べながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...自然は己(おの)が為(す)べき事をさっさっとして行ってお勢は益々深味へ陥る...
二葉亭四迷 「浮雲」
...深味のある声で答えました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...人間の優しさや深味の少い淋しさを与えているのだと思う...
宮本百合子 「結婚論の性格」
...深味のあるような人でもない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...簡単にやまと琴という名をつけられながら無限の深味のあるものなのですね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その無限の深味と変化とを知った...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ことに秋の水は銘刀(めいとう)の深味(ふかみ)ある色にさえたとえられている...
吉川英治 「神州天馬侠」
...剣にも等しい一脈の殺気が迫ってくるところ――どうして冴えている! 奥行の知れない深味がある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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