...極端な個人主義の理屈といっしょになってだんだんに深味にはいってきたのです...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...なるべく深味のところを選んで私は船を着けた...
大阪圭吉 「死の快走船」
...だんだん深味に足を踏み込んで取返しのつかぬ始末となるのです...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...谷崎君の作は、深味、凄味などと言ふものが足りないが、内面的の作として鳥渡(ちよつと)異色がある...
田山録弥 「初冬の記事」
...限られた日本の生活の深味のない事がしみじみ感じられます...
永井荷風 「監獄署の裏」
...何となく深味のある男でした...
野村胡堂 「十字架観音」
...もう少し深味のある...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...話をしている間に深味のある張(はり)をもった眼が幾度も涙でいっぱいになる...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...なんともいえない深味のある微笑を浮べながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...その容貌は自然そのもののごとくに深味をもっているが...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...「靜物」の深味のある生のなかに...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...放浪生活やにごった深味と絶縁し...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...重味や深味と同様に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...かの女が読むと、かの女の感情が、文を生かして、わずかな辞句(じく)にも、深味が加えられ、聞く者みな、涙をながした...
吉川英治 「新書太閤記」
...剣にも等しい一脈の殺気が迫ってくるところ――どうして冴えている! 奥行の知れない深味がある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...深味のある錵(にえ)の色に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...それが段々深味におちて...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
...底知れぬ深味を感じさせるような何ともいえない古銅の色...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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