...從來の日本建築に比して今少しく暗く今少しく深味のある光を採る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...それがまた面白そうなので私たちも段々深味(ふかみ)に進んでゆきました...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
...彼女の本当の『苦しみ』が其処で深味をましたのです...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...あがきのとれない生活の深味にはいったことを...
伊藤野枝 「転機」
...その安心が逸子をして到底たゞでは出られないやうに深味へ陥れてゐるのであつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...また深味と強みが態度の上に出て来るといゝと思ひます...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...なるべく深味のところを選んで私は船を着けた...
大阪圭吉 「死の快走船」
...深味がない...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...深味の無いこと...
太宰治 「女生徒」
...谷崎君の作は、深味、凄味などと言ふものが足りないが、内面的の作として鳥渡(ちよつと)異色がある...
田山録弥 「初冬の記事」
...このすぐれた面(おも)ざしに一層の深味をあたえ...
久生十蘭 「キャラコさん」
...その容貌は自然そのもののごとくに深味をもっているが...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...もっと深味のある光を帯びた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...「靜物」の深味のある生のなかに...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...深味のあるような人でもない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...深味がおできになりましたね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ことに秋の水は銘刀(めいとう)の深味(ふかみ)ある色にさえたとえられている...
吉川英治 「神州天馬侠」
...なんともいえない深味のある色じゃございませんか」すぐそこまで来たのをみると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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