...2一つ蚊帳に寢ることは一つ部屋に寢ると云ふよりも遙かに對手との親しみを深くする...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...彼の表情を寧ろ愛嬌深くする乱杭歯が現はれどほしに現はれてゐた...
有島武郎 「骨」
...三にも金」といった言葉はますますその意義を深くするのである...
石原莞爾 「戦争史大観」
...今問題にしようとする金堂壁画の美に至ってはますますその感を深くする...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...では絶対に慎しみ深くするのかと云うと...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...慎深くする...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...寛平の宇多法皇の御誡にも天皇の學問はひどく深くする必要はない...
内藤湖南 「日本文化の獨立」
...その思いを深くするのである...
中井正一 「国立国会図書館」
...私は唯だ日本人は将来においても確かに最(も)う一度ロシヤを征伐する事の出来る戦乱の民であるという感を深くするだけです...
永井荷風 「監獄署の裏」
...寧ろ興にまかせてその誤認を猶(なお)深くするような挙動や話をして...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...自分で傷を深くするだけの器量しかないのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...または一層孝心を深くするための叙述になります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...――さういふ讀後の印象を一層深くするやうな結末を私は自分の短篇小説にも與へたいと思つた...
堀辰雄 「姨捨記」
...それは却て夏の真昼の静けさを奥深くする...
牧野信一 「眠い一日」
...「公然の関係よりもこうした忍んだ中のほうが恋を深くするものだと昔から皆言ってます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ますます深くする次第である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一方で死んだ夫がやさしく親切であったことを回想して哀悼の情を深くするかと思うと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...役者が巧妙な芸を演ずれば演ずるほど我々はますます醜悪の感を深くするのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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