...それはシャボン玉を夕暗(ゆうやみ)の中にすかしてみたように...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...夕闇(ゆうやみ)の蘆荻(ろてき)音なく舟著(つ)きぬ十月十五日 発行所例会...
高浜虚子 「五百五十句」
...なに?」と姉はうろたえて妹に問えば妹は夕闇(ゆうやみ)の谷底を指差し...
太宰治 「新釈諸国噺」
...外は夕闇(ゆうやみ)...
太宰治 「春の枯葉」
...幸子は暫(しばら)く門柱に靠(もた)れて夕闇(ゆうやみ)の中を視詰(みつ)めながら彳(たたず)んでいたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...貴方(あなた)のことを――」夕闇(ゆうやみ)の底に...
徳永直 「白い道」
...日が暮れて青い夕闇(ゆうやみ)の中を人々がほの白くあちこちする頃...
新美南吉 「おじいさんのランプ」
...彼は夕闇(ゆうやみ)のような顔をぱっと輝かして...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...この夕暗(ゆうやみ)とに...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...桔梗色(ききょういろ)の夕暗(ゆうやみ)の中です...
宮沢賢治 「蛙のゴム靴」
...もう夕闇(ゆうやみ)がたちこめていました...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...夕闇(ゆうやみ)があたりをつつみはじめ...
山川方夫 「待っている女」
...かれは夕闇(ゆうやみ)のなかで...
山本周五郎 「城を守る者」
...往来には夕暗(ゆうやみ)の色が仄(ほの)かに漂い初(そ)めている...
夢野久作 「暗黒公使」
...夕闇(ゆうやみ)の微風に揺れている柏(かしわ)の(ほこだち)の傍まで続いていった...
横光利一 「日輪」
...遽(あわただ)しい将官たちの往(ゆ)き来(き)とソビエットに挟まれた夕闇(ゆうやみ)の底に横たわりながら...
横光利一 「微笑」
...そしてほの明るい夕暗(ゆうやみ)の軒端(のきば)に...
吉川英治 「親鸞」
...四辺(あたり)を包む夕暗(ゆうやみ)の中で...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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