...「だいじょうぶでしょうか」「僕も心配に思っています」この時園とおぬいさんとは生れて始めてのように深々と顔を見合わせた...
有島武郎 「星座」
...渡瀬は確信をもって黙ったまま深々とうなずいた...
有島武郎 「星座」
...夜も深々と更けわたる真夜中ごろ...
井上円了 「おばけの正体」
...図書館は深々とその足を野山の中に降ろすことができるのである...
中井正一 「野に山にかかる虹の橋」
...深々と扉を引いて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...深々と突つ立つたのは一本の刄(やいば)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...額を叩いて追從(つゐしよう)らしく深々とお辭儀をして居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...悲しいことにお菊には人に明かされない病氣がある」「――」徳兵衞は深々と首を垂れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前も考えてくれ」平次は深々と腕を拱(こまぬ)くのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大の男二人で?」「其處まではわからない」平次は何やら深々と考へて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...千代之助の小鬢(こびん)をかすめて後ろの柱に深々と立ちます...
野村胡堂 「百唇の譜」
...ある時国府津(こうず)行の一等車に乗ったおりは純白なショールを深々と豊かにかけていたのが顔を引立(ひきたて)て見せた...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...煙草を深々と吸った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...冬の朝の日差しが深々とした縁先で...
牧野信一 「春の手紙」
...軒先には緑色の日除けが深々と翼を垂れて豊かな瑠璃色の陽をさへぎつてゐる...
牧野信一 「山彦の街」
...外套の頭巾を深々と引下して...
夢野久作 「老巡査」
...牛皮の毛靴(けぐつ)を深々と穿(うが)って...
吉川英治 「新・水滸伝」
...小さな渓が深々と岩を穿って流れている或る一ヶ所に...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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