...俺は從來如何に淫蕩なる生活との接觸に當つても...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...生来淫蕩な体質の持主であるのは父であって...
谷崎潤一郎 「鍵」
...淫蕩な有閑階級や隠居の遊び場所である温泉の代りに...
徳田秋聲 「佗しい放浪の旅」
...淫蕩なダンスや酒席の場面は通過させぬこと...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...またその悲惨な生活から醸される咽っぽい淫蕩な雰囲気をも...
豊島与志雄 「悪夢」
...神のない世界に日向ぼっこをしている彼は――淫蕩な身体をうっとりと横たえてる彼は...
豊島与志雄 「春の幻」
...ひどく淫蕩な性質だというのである...
豊島与志雄 「文学以前」
...甚だ淫蕩な気質だと思われるが...
豊島与志雄 「文学以前」
...男は依然としてああいう淫蕩な奴隷所有者なのです...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...皆これかの淫蕩なる婦女にあらざるなきを...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...その間に時時洩れる女達の淫蕩な笑ひ聲...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...邪悪淫蕩な血は五体を駆けめぐって...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...淫蕩な夫から離すと同時に...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...長い世代に亙(わた)る淫蕩な主人の好みで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...継母の体から淫蕩な倦きる事のない連想が湧いた...
林芙美子 「瀑布」
...旅から旅に渡って歩く淫蕩な男と...
水野葉舟 「遠野へ」
...けれどもあらゆる種類の豪奢、乱行、淫蕩な思いつき、遊惰、贅沢にかけては、我々もほんとうに彼らに負けないだけのことをやっている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...フランス物の淫蕩な乱舞を...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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