...空地の中央には何んとかいう小さな淫祠(ほこら)が祀(まつ)ってあるが...
海野十三 「白蛇の死」
...淫祠(いんし)を毀(こぼ)ち...
江見水蔭 「備前天一坊」
...淫祠(いんし)邪教のお筆先...
太宰治 「父」
...維新以後迷信に關する淫祠を禁じ...
内藤湖南 「聖徳太子」
...第二 淫祠裏町を行こう...
永井荷風 「日和下駄」
...それにもかかわらず淫祠は今なお東京市中数え尽されぬほど沢山ある...
永井荷風 「日和下駄」
...裏町の風景に或(ある)趣(おもむき)を添える上からいって淫祠は遥(はるか)に銅像以上の審美的価値があるからである...
永井荷風 「日和下駄」
...路傍(ろぼう)の淫祠に祈願を籠(こ)め欠(か)けたお地蔵様の頸(くび)に涎掛(よだれかけ)をかけてあげる人たちは娘を芸者に売るかも知れぬ...
永井荷風 「日和下駄」
...淫祠は大抵その縁起(えんぎ)とまたはその効験(こうけん)のあまりに荒唐無稽(こうとうむけい)な事から...
永井荷風 「日和下駄」
...いわゆる淫祠邪教がなんの牽束もなく江戸中にはびこって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...すると家の近くの淫祠まで来たところで...
原民喜 「顔の椿事」
...その頭の家の前の横丁には助六稲荷と呼ぶ淫祠があつて...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...現在の欲楽を求めるところから邪神淫祠が生ずるのである...
三木清 「親鸞」
...つまり神職もなく、財産、社地も定まらざる廃社同前のもの、また一時流行、運命不定の淫祠、小祠の類を除き、その他在来の神社を確立せしめんと力(つと)めたるもののごとし...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...今の人が淫祠だといってるのがあるでしょう...
横光利一 「旅愁」
...その淫祠の本体は非常にもう幾何学に似てるんですよ...
横光利一 「旅愁」
...それもアインスタインのは、ただの無機物の世界としてだけより生かしていないところを、日本の淫祠のは、音波という四次元の世界を象徴した、つまり音波の拡がりのさまを、人間の生命力のシンボルとして解しているんですね...
横光利一 「旅愁」
...いまでは私は淫祠(いんし)的な日本人の肉感と...
吉行エイスケ 「恋の一杯売」
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