...生憎(あいにく)その夜の母のように淡白な態度に出られなかった彼女は...
芥川龍之介 「春」
...村の人達は、富江を淡白な、さばけた、面白い女として心置なく待遇(あしら)つてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...志郎は淡白な軍人氣質...
石川啄木 「鳥影」
...という極めて淡白なる性格の人だった...
海野十三 「地軸作戦」
...ある日また諸君は、諸君があれほど愛してほめていた、あのすばしこい歩きぶり、あの淡白な処作、あの嬉しそうな話しぶりの、ある可愛いい若い娘の話を聞くであろう...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...服裝のひどく淡白な一人の紳士に行き當つた...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...極めて淡白なるものに過ぎず...
高木敏雄 「比較神話学」
...ただ単に事実を叙しただけに止めてあるところに淡白な趣味が保たれているのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...彼はまた従来金には淡白なる武男が...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...甚だ淡白な物であったが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...淡白なものを好む人もあるわけですが...
羽仁もと子 「女中訓」
...幽冥説に向って淡白なるほどに...
福沢諭吉 「物理学の要用」
...二、西洋料理、初夏の野菜、淡白な魚類...
牧野信一 「回答」
...珍らしく淡白な男で...
牧野信一 「女優」
...それが何時もの淡白な注意とは異つて...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...紅茶は淡白なものですから重いような菓子を出します...
村井弦斎 「食道楽」
...淡白な気分で人々に対することを学んでいる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...とにかくほかの事とは違うからね」吉良節太郎はつとめて淡白な調子で云った...
山本周五郎 「つばくろ」
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