...私は、女が、淡い、無邪気(むじゃき)な恋をしたこともあったかと思ったが、私は、それを嫉(ねた)ましいとは想えなかった...
近松秋江 「雪の日」
...彼は淡い失望を感じながらしばらく待ってみた...
徳田秋声 「仮装人物」
...淡いプラトニック・ラヴに陥ちていた女の手紙は...
徳田秋声 「黴」
...」均平は淡い嫉妬(しっと)のようなものから来る興味を感じたが...
徳田秋声 「縮図」
...非常に淡いものに過ぎなかった...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...何かしら淡い情緒をそそり...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...淡い光が街路の上に流れていて...
豊島与志雄 「常識」
...星の光りの淡い寂しい空の下に...
豊島与志雄 「反抗」
...淡い微笑を浮べた...
豊島与志雄 「古井戸」
...それは幾十年という長い年月をこの山里に生いたった者の淡い誇りでもあり...
中島哀浪 「かき・みかん・かに」
...香爐から立ち昇る淡い淡い煙幕の蔭に居るのは...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...――そう言った淡い記憶が鯛六の頭に蘇がえりましたが...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...淡い日が蘭(らん)の鉢植にさして...
長谷川時雨 「源泉小学校」
...ただ健やかであれと思うほかは淡い気持であった...
室生犀星 「津の国人」
...淡いかすかな望みから出たもので...
柳田国男 「母の手毬歌」
...淡い日があたたかく照っておりました...
夢野久作 「卵」
...それは私が初めて嗅ぎ出したものではないかと思われる程の淡い...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...我々の心の一角に触れる淡い情趣が生かされている...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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