...久しくあわないでいた骨肉(こつにく)の人々の間にのみ感ぜられる淡い心置きを感じた...
有島武郎 「或る女」
...その題目や着想が淡い情調に融合されて...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...東方に寄った空がまず透明な淡い白光を現わし...
鷹野つぎ 「窓」
...しきりに好奇心と淡い恋情を感じたことがある...
田中英光 「野狐」
...まだあの冴(さ)えた撥(ばち)の音の方が淡いながらもなつかしく聞いていられた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...私の心はだんだん「秘密」などと云う手ぬるい淡い快感に満足しなくなって...
谷崎潤一郎 「秘密」
...二月初旬の淡い日脚が...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...陽光のなかに立ち昇る線香の淡い煙を...
豊島与志雄 「未亡人」
...こういう淡い想像に過ぎなかったのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...淡いながら頼りを失った心持で...
夏目漱石 「明暗」
...淡い跡が殘つて居るやうでもあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...淡い軽侮の眼を以って見て居りました...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...暗い壁にほんの一筋の淡い光でも投げかけることはできなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...形は細く色は淡い...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...一左手には三浦半島から房総半島の淡い輪郭が海の中に突きだしている...
平林初之輔 「謎の女」
...そういう小説の女主人公などに一種の淡い愛着のようなものさえ感じているところから...
堀辰雄 「花を持てる女」
...上から下まで淡い黒色にまとめ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...それはたま/\久保田万太郎氏の淡い趣致を喜ぶ獨特の好みを表白したものとして...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??