...われ早くこゝに坐して涼を貪(むさぼ)り居たり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...夏になると彼の祖母と共に毎晩ここへ出て涼んだ...
魯迅 井上紅梅訳 「白光」
...さだめし涼しい風が吹きこむことであろうと...
梅崎春生 「桜島」
...窓という窓をすっかり開き時速五十キロメートルの涼風(りょうふう)を縦貫(じゅうかん)させた人工冷却(フォースド・クーリング)で...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...涼しい瞳に一杯涙を溜めて...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...一年一回の逢瀬は文字通りに一刻千金だらう!朝は涼しいよりも寒い...
種田山頭火 「其中日記」
...涼しい河風がをりをり吹いて通つた...
田山花袋 「朝」
...暑い日であったがふるえ上がるほど「つめたかった」だけで涼しいとはいわれなかった...
寺田寅彦 「涼味数題」
...二柿の木蔭(こかげ)は涼しい風が吹いて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...涼しさを声にした様な蜩(ひぐらし)に朝涼(あさすず)夕涼(ゆうすず)を宣(の)らして...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...夜の浜辺は涼しく爽かでした...
豊島与志雄 「女と帽子」
...鑿を執(と)る手を休めて眺めると、眼元の涼しさ、鼻筋の素直さ、その頃流行(はや)った、少し受け唇のあどけなさ、それにも優(ま)して、頬の肉付きの可愛らしさと、首から四肢へかけての、凝脂(ぎょうし)の美しさは、まことに比類もありませんが、それがどうしたことか、美し過ぎ、端正に過ぎて、なんか知ら一脈の物足らなさがあるのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...涼しい風が頭の上を吹いてゆきます...
林芙美子 「クララ」
...風が吹き通して涼しい...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...その度に秋の涼しさは膚(はだ)に浸み込むように思うて何ともいえぬよい心持であった...
正岡子規 「九月十四日の朝」
...何も荒涼な山河の風景のみが...
室生犀星 「故郷を辞す」
...そのうち夕方は次第に涼しくなって...
森鴎外 「雁」
...ご奇想天外です」「西涼兵の眼に...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索