...樹下の道の涼しかつたこと位しか覚えて居ない...
安倍能成 「初旅の残像」
...真っ暗な中に蚊帳を吊ってころがっているのが涼を納(い)れる最上の法だと心得ている...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...今日も曇(くも)って涼しいことである...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...涼気(れうき)水(みづ)の如く闇中(あんちう)に浮動(ふどう)す...
徳冨蘆花 「良夜」
...西風颯々涼気秋に似たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...眼を開くは玉手箱を開けるに等しく、浦島ならねども、一瞬荒涼となり、原子野が一切の夢を打ち壊して眼に飛び込む...
永井隆 「長崎の鐘」
...荒涼たる焼野原を透して...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひとしお荒涼の感を与えている...
中谷宇吉郎 「異魚」
...この荒涼とした魂の中で一番幸福だったのはヴォーケ夫人で...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...死滅した月の表面のような冷涼たる趣きを呈し...
久生十蘭 「海豹島」
...「涼風」のつゞき...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
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正岡子規 「俳諧大要」
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正岡子規 「俳諧大要」
...その部屋はなさけないほど荒涼としていて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...ホテルの涼場(すずみば)の下を通って...
水上滝太郎 「九月一日」
...露置きてくれなゐいとど深けれどおもひ悩めるなでしこの花 (晶子)炎暑の日に源氏は東の釣殿(つりどの)へ出て涼んでいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この西涼に留守して...
吉川英治 「三国志」
...故快川和尚(こかいせんおしょう)の最期(さいご)のことば――心頭(しんとう)を滅却(めっきゃく)すれば火もまた涼(すず)し――の禅機(ぜんき)をあじわって...
吉川英治 「神州天馬侠」
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