...十六七の、瓜実顔(うりざねがお)の色の白いのが、おさげとかいう、うしろへさげ髪にした濃い艶(つや)のある房(ふっさ)りした、その黒髪の鬢(びん)が、わざとならずふっくりして、優しい眉の、目の涼しい、引しめた唇の、やや寂しいのが品がよく、鼻筋が忘れたように隆(たか)い...
泉鏡花 「瓜の涙」
...とても涼しい気持がした...
太宰治 「正義と微笑」
...赤い灯や青い旗を吹く風も涼しく...
寺田寅彦 「障子の落書」
...子供等が出て行った後で私は涼み台で母とただ二人で話していた...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...この荒涼たる秋夜に...
中里介山 「大菩薩峠」
...この荒涼とした魂の中で一番幸福だったのはヴォーケ夫人で...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...その部屋の前の廊下に立つてゐると北側の窓――つまり女の部屋の前にある窓――から涼しい風が吹き込んで来るので...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...「涼」の字をあてはむるやうにはなりぬ...
正岡子規 「すゞし」
...小さな涼しい玄関に出た...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...今日(きょう)は涼(すず)しくてね...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...八十八度ゆうべの夜なかは涼しかったのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それは我々の習俗の下にあってはほとんど彼女たちに清涼をもたらしはしないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...暑い午後にはここで涼んだ...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...涼み台には恰好な話題ではあった...
吉川英治 「大岡越前」
...飽くまで涼しそうに...
吉川英治 「黒田如水」
...仲達の西涼赴任は...
吉川英治 「三国志」
...何者じゃ」その涼やかにして射る如き眼光も尋常人(ただびと)とは思われなかった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...死滅した都市が閲した恐怖の年月をより荒涼として見せた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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