...蔭涼しそうなるも有り...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...京都の仙洞御所(せんとうごしょ)のなかで清涼殿(せいりょうでん)の前庭をかこんだ一帯の風趣であったのです...
石原純 「アインシュタイン教授をわが国に迎えて」
...アラビア種のすべて目が鋭く涼しいのが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...多きを妨げずと悟つた方が温くて涼しからう...
辰野隆 「書狼書豚」
...十六日 涼しいさえさえした朝だ...
寺田寅彦 「窮理日記」
...「涼しいの」小太郎が...
直木三十五 「南国太平記」
...秋涼を待ち彩牋堂の稽古が始まる頃にもなったら机に向おうと思っていると...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...○一夜(いちや)涼風(りょうふう)を銀座に追う...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...僕は晩涼を追いながら...
永井荷風 「申訳」
...君聞かずや胡笳(こか)の声最も悲しきを紫髯緑眼(しぜんりよくがん)の胡人吹くこれを吹いて一曲なほ未だ終らざるに愁殺す楼蘭征戍(ろうらんせいじゆ)の児涼秋八月蕭関(せうかん)の道北風吹き断つ天山の草崑崙山(こんろんさん)の南...
中里介山 「大菩薩峠」
...一雨ざつと降りさへすれば松の葉もおしろいの葉も埃がすつかり洗はれて秋の涼しさは頓に催すのであらうが...
長塚節 「須磨明石」
...そうして二人の向側(むこうがわ)にある涼み台みたようなものの上に腰をかけた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...それは二十七八の若旦那型の華奢(きゃしゃ)な男で、色の白さも、眼の涼しさも、唇の紅さも、――そして言葉の爽(さわ)やかさも、申分のない男でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「夏は涼しいが、冬は北向きで陽(ひ)がささんので、引越しすると家主さんに云うと、一円位はお前すぐまけてくれるそうだよ」どこから聞いてきたのか、母はこんなことを云って笑っていた...
林芙美子 「落合町山川記」
...緑のペンキ塗りの陳列のなかのぴかぴか光る金色、赤、コバルト、陶の涼しさ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...涼しさを味はひつゝ菊田と森永へ行き食事...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「父帰る」の娘を藤田、「涼風」の役は、三益・北村に振り分ける...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...その外菓物類(かぶつるい)は清涼剤で身体に薬だといいますけれどもその種類によっては消化の遅いために午後四時から先は食べない物が色々あります...
村井弦斎 「食道楽」
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