...血と涙さへ涸(か)れなければ...
石川啄木 「雲は天才である」
......
立原道造 「暁と夕の詩」
...両君が「オオイしつかりしろ」と声を涸らして叫んだ時...
辰野隆 「旧友の死」
...原野浸毒に因れる茅葭の枯涸及び草屋葺料買入費増加...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...竹木草苔の枯涸に因れる堤防の決潰...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...井戸がいよ/\涸れてきた...
種田山頭火 「其中日記」
...緑平老に一句なるほど信濃の月が出てゐる月蝕旅の月夜のだんだん虧げゆくを伊那町にてこの水あの水の天龍となる水音権兵衛峠へながれがここでおちあふ音の山ざくら鳥居峠このみちいくねんの大栃芽吹く木曾の宿おちつけないふとんおもたく寝る帰居しみじみしづかな机の塵朝の土をもくもくもたげてもぐらもち大旱涸れて涸れきつて石ころごろごろ雨乞燃ゆる火の...
種田山頭火 「草木塔」
...河はしだいに浅くなって涸(か)れてゆくし...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...大井川の水涸(か)れ/\にして蛇籠(じゃかご)に草離々たる...
寺田寅彦 「東上記」
...モチーフの涸渇、そうだ、モチーフの涸渇だった...
豊島与志雄 「自由人」
...成程あれも豌豆には違いないけれどもああなっては豌豆のもつ原始味などは全く涸渇してしまっている...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...心は涸(か)れて皺枯(しわが)れて...
中原中也 「山羊の歌」
...すっかり干涸びてしまって...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...第五には物資の運搬ならびに連絡係りとして――と」彼は涸(かわ)いた唇をなめてあたりを見まわした...
本庄陸男 「石狩川」
...……カ……堪忍して……堪忍して下さアアア――イ……」と声の涸(か)れるほど繰返し繰返し叫び続けたことか……...
夢野久作 「木魂」
...涸れ川のみなかみを見やれば...
吉川英治 「私本太平記」
...道は、その日の午後、やっと一つの山の小道へかかったが、木々の葉は萎(な)えて、風は死し、谷はあるが、水は涸(か)れ、岩は干割(ひわ)れして、滴(したた)る清水の一ト雫(しずく)もない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ともすれば見失ひがちの小徑は水の涸れた谷をあちこちと横切つて多く笹の原の中を登つて行つた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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