...涙金を頂戴してそれでお終いよ...
梅崎春生 「蜆」
...こんなことをして涙金(なみだきん)をせしめようという...
江戸川乱歩 「五階の窓」
...今まで我々を搾取(さくしゆ)して今になつて我々をわづかの涙金で追つぱらはうとする資本家なんだ...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...恐らく勘当されるについては若干の涙金(なみだきん)を貰ったであろうが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...去年勘当された時に母屋(おもや)の旦那(長兄のこと)から僅(わず)かな涙金を貰ったのが唯一(ゆいいつ)の財源で...
谷崎潤一郎 「細雪」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...或いは何十万円の「涙金」よりも価値があるだろう...
戸坂潤 「社会時評」
...涙金(なみだきん)さえ出さねえのは民主主義じゃねえや...
富田常雄 「刺青」
...その涙金の二百円ぽっちりの金を...
豊島与志雄 「黒点」
...自分は屑(いさぎ)よく涙金(なみだきん)を断った...
夏目漱石 「坑夫」
...船長だって涙金位寄越さないものでもないんだ...
葉山嘉樹 「浚渫船」
......
二葉亭四迷 「遺言状・遺族善後策」
...お涙金とは恥を知れ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...お見それ申しましたとすごすご涙金で引き下がっていく...
正岡容 「我が圓朝研究」
...旧悪の前に一言もなく涙金で引き下がる...
正岡容 「我が圓朝研究」
...路頭に迷う父娘へ涙金をくれたと思え」入家の日が来た...
吉川英治 「脚」
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