...斯くも多く水涌かむとは思ひがけざりき...
大町桂月 「白河の七日」
...涌く白雲に送られて...
大町桂月 「房州紀行」
...蛆(うじ)が涌(わ)かぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...春の驩喜(よろこび)は聞く人の心に涌(わ)いて来る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...すっかり喜んでしまった少女たちの高笑いが涌きおこったのである...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...天然に涌(わ)き出でまするお湯は...
中里介山 「大菩薩峠」
...小涌谷や蘆ノ湯にいた客はふるえながら塔ノ沢や湯本へ移った...
久生十蘭 「雪間」
...ふいと何か希望のやうなものがかすかに涌いてくる...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...矢張あゝだつたのかと思ふとそゞろに憐れみの感さへ涌く...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...泉のやうに胸の底から涌きあがつて来るのを覚へた...
牧野信一 「妄想患者」
...なんでも泉が自分の霊(れい)から涌いて出(で)んでは心身を爽かにすることは出来ない...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...「もし涌谷さまやおれが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...涌谷は紛争を避けるために譲歩したのであろうが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...涌谷さまの伝言があるから押して来たのだ」「聞かせてもらおう」「そのまえにきくが」と周防は甲斐を見た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...……船岡どのが涌谷(わくや)へ立ったとございます...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...涌谷のじじいがそこまでやるというのは尋常なことではないかもしれぬ」――厩橋(うまやばし)侯へおいであそばしますか...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「そのため涌谷で戒名も付けたし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...天災に縛られていた人間の心が今や町全体の上に湧然と涌(わ)きのぼっているような心持ちである...
和辻哲郎 「地異印象記」
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