...小室といふ感念が容易に手古奈の胸中より消え去るべきものでない...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...言葉を換へて云へばあらゆる宗教は全てを包含する調和の感情といふ宗教中に消え去るのである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...わたしはついに立ちさわぐ池のおもてを彼が遠く消え去るのを手をつかねて見おくった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...締め切った三畳の空間からねずみが一匹消え去る道理はなかった...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...これはおそらく永久にわたしの記憶から消え去ることはないであろう...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...感情の論理は永久に人間の生活の内から消え去る理由を有たないわけである...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...所謂イギリス風に消え去るのと...
豊島与志雄 「或る夜の武田麟太郎」
...その信念が消え去るのを見...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...全く何故ともなく凡てが消え去る空虚の時が来る...
豊島与志雄 「真夜中から黎明まで」
...この宝燈の中へ消え去るべき自分だとも思ったり――或いは...
直木三十五 「南国太平記」
...そは遮(さえ)ぎられたる風の静なる顫動(せんどう)さながら隠れし小禽(ことり)のひそかに飛去るごとくさとむらがり立ちて起ると見れば消え去るなり...
永井荷風 「向嶋」
...容易に消え去るものではない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...虚空を翔け行く鳥の如く情緒もまた久しき過去に消え去るべし...
萩原朔太郎 「氷島」
...現実の生きている人間の印象は忽ち時間とともに消え去るのに...
原民喜 「夢と人生」
...暗号電報が海底深く消え去る...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
......
三好達治 「一點鐘」
...消え去るかに見えた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...基経の名と共に子孫の頭の中から消え去ることはなかろうと思った...
横光利一 「旅愁」
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