...消えるに決まった約束をのがすまいとしている...
有島武郎 「或る女」
...ふつと吹くと消えるやうに出來てる...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...消えることはなく...
岩野泡鳴 「耽溺」
...自分の書斎と相面する鴎外の書斎の裏窓に射(さ)す燈火(あかり)の消えるまで競争して勉強するツモリで毎晩夜を更かした...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...そうかといってこれだけの大掛かりの出張員たちがいつ消えるとも分らぬ火災を傍観しているばかりでも済ましていられず遂(つい)に防火服や防圧服に身を固め...
海野十三 「地球発狂事件」
...私たちの一人が消える――一つの精神が――一つの世界が...
ジョージ・オーウェル George Orwell The Creative CAT 訳 「絞首刑」
...まことは いつの世に消えるともないたましひから たましひへ つながつてゆくしろい しろい 火のすがたである...
大手拓次 「藍色の蟇」
...それが急にパッと消えると同時に外のアーク燈も皆一度に消えてまっ暗になった...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...するとほのぼのと浮かぶただ一つの面影! それは一生消えることのない尊い面影である...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...この時途中に硝子(ガラス)板を置くと作用が消えるが...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...灯がみんな消えるのを合図に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ほおえみの……ほおえみはすぐ消えるもん...
深瀬基寛 「悦しき知識」
...ぽつりぽつりと綿のやうに飛んで來ては着物にしみて消えるうすら雪に...
水野仙子 「四十餘日」
...白い細い指が顔をおさえて指と指とのすき間にかすかな悲しみの音のもれてくるのを見て女はするりとまぼろしの消える様に行ってしまった...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...天下を行く……(ドシドシ歩いて戸外へ消える)(まだクスンクスン泣いている滝三...
三好十郎 「斬られの仙太」
...(靴音消える)鈴の音と下駄の音近づく...
三好十郎 「鈴が通る」
...(トツトと橋を渡つて左手へ消える)オヤ こん通りだ...
三好十郎 「妻恋行」
...それはひとときも消えることがなかった...
山川方夫 「菊」
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