...空虚なる闇のうちに消えると...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...さうしてその後からシユウといふ泡の消える爽かな音が立つた...
石川啄木 「病室より」
...ドド根の礁(はえ)じゃ」と思って心配している間もなく真紅な帆はそのまま煙のように消えるのであった...
田中貢太郎 「真紅な帆の帆前船」
...小さな泡(あわ)がまん中へかたまって四方へ開いて消える...
寺田寅彦 「柿の種」
...水滴はピカッと光っては、直ぐ消える...
外村繁 「日を愛しむ」
...すぐ消えるには消えたが...
夏目漱石 「こころ」
...高朗(こうろう)なる性情が消えるのである...
新渡戸稲造 「自警録」
...――頬冠を取ると灯が消えると一緒だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...惰性の波に消えるか...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...さうしてその時こそは彼の愛情の對象が消えるのみならず...
堀辰雄 「旅の繪」
...時々夫が数週間消えることがあり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...爆発させ得なかった怒気は消えることが無かった...
本庄陸男 「石狩川」
...いや消えるにきまつてゐら……」彼は思はずグツと喉を詰らせた...
牧野信一 「まぼろし」
...ふたつのあわが浮かんで消えるのがはっきり見えました...
宮島資夫 「清造と沼」
...ある時が経てば消える...
宮本百合子 「幸福の感覚」
...(トツトと橋を渡つて左手へ消える)オヤ こん通りだ...
三好十郎 「妻恋行」
...まもなく消えるであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...もう吉岡の家も)ぼーっとひとりでに枕元の有明行燈(あんどん)が消える...
吉川英治 「宮本武蔵」
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