...僕なる物に浸り行くようになった...
岩野泡鳴 「耽溺」
...毛をむしられて、海水に浸り、それを天日でかわかした...
太宰治 「もの思う葦」
...温(あたた)かい家庭的情味に浸りながら一カ月余をうかうかと過してしまった...
近松秋江 「黒髪」
...頼り無いような気分が室の中に漲って、三人共、それに浸り乍ら、過ぎ去って行くものの影をじっと見守っているような心地で居た...
豊島与志雄 「恩人」
...のんびりと湯に浸りながら...
豊島与志雄 「常識」
...彼はそのうちに浸りながら...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...どうしてもその前途と未来の空想に浸りきって...
中里介山 「大菩薩峠」
...もはや夜も昼も津田式飛行機製作所に入浸りの有様で...
中里介山 「大菩薩峠」
...またお常の茶屋へ入り浸りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ただ一と粒種の三河屋の希望を喪(うしな)った悲しみに浸り切って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八五郎兄哥(あにい)は相変らず祈祷所に入り浸りですよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...斯んな心残りも感じた――折角ヒトが快い落着に浸り得たものを...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...すつかりもう打とけた親しみに浸りながら...
牧野信一 「早春のひところ」
...腰まで水に浸りながら...
山本周五郎 「柳橋物語」
...そこの生活に浸りつつ観察することにきめた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...侍女と二人で湯に浸りつつペトロニユスの死んでゆくときのあのローマも...
横光利一 「夜の靴」
...繭の中の平和と愛情に浸りに来るのが...
吉川英治 「平の将門」
...ここでも愛と信仰とに浸りながら一カ月滞在し...
和辻哲郎 「鎖国」
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