...赤墨汁(インキ)のやうに私の胸に浸み込んだ...
石川啄木 「いろ/\の言葉と人」
...さみどりの水はわが松板の船に浸み透りて...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...この気むずかし屋の癇癪(かんしゃく)もちの動物的な汚れが浸みこんでいるように見える老人の周囲に出没するのは何も心から...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...じいゝといふ煙りのやうな声が立ち浸みてゐる...
鈴木三重吉 「桑の実」
...何処とも知れず吹入った冷たい空気が膝頭から胸に浸み通るを覚えた...
寺田寅彦 「凩」
...それにはやはりそれが浸み込みやすいような風に自分の若い時の頭の下地が出来ていたのかもしれないと思われる...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...ニトログリセリンを砂に浸み込ませたものは...
長岡半太郎 「ノーベル小傳とノーベル賞」
...全体に甘味が浸みこんでいて大変旨いのだそうである...
中島敦 「環礁」
...すべての階級に広く浸み込んでいるので...
中谷宇吉郎 「古代東洋への郷愁」
...汗を吹いて總身(そうみ)に浸み出はせぬかと感じた...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...下から浸み透つた血だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...土間にこぼれた湯はすっかり土の肌に浸みてしまってもとの通りになりましたが...
林芙美子 「クララ」
...澄んだ浸み透るやうな音楽的な音を立てて...
葉山嘉樹 「万福追想」
...それを沢庵の通りに圧石をして置いてよく漬いた時分に戴きますと茄子の甘味が沢庵へ浸みてどんなに美味しくなりましょう...
村井弦斎 「食道楽」
...現に我々の周囲で信用を博しているところの・そして我々の父たちの種によって我々の霊魂の内に浸みこんでいるところの・あの共通の思想が...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その端に水を浸みこませて持って来た...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...見ればその額には汗がしつとりと浸み出てゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
...親しく身体に浸みて来た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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