...その後で、士官次室(ガンルーム)へ招待されて皆で出かけたら、浴衣がけで、ソフアにゐた連中が皆立つて、僕たちの健康とSの結婚とを祝してくれた...
芥川龍之介 「軍艦金剛航海記」
...そういえば用が用、仏像を頼みに行(ゆ)くのだから、と巡礼染(じゅんれいじ)みたも心嬉しく、浴衣がけで、草履で、二つ目へ出かけたものが、人の背(せなか)で浪を渡って、船に乗ろうとは思いもかけぬ...
泉鏡花 「悪獣篇」
...浴衣がけで歩く女はよく/\着物のない貧しい女に見られるからださうです...
竹久夢二 「砂がき」
...浴衣がけのような恰好(かっこう)で...
田中貢太郎 「雀が森の怪異」
...遊覽の客が浴衣がけでぞろぞろと通る...
田山花袋 「日光」
...その車の入り口のいちばん端にいた浴衣がけの若者が...
寺田寅彦 「軽井沢」
...浴衣がけの女学生などを見かけた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...麦藁帽に浴衣がけのこの正義派は...
豊島与志雄 「電車停留場」
...浴衣がけの無帽が...
長谷川時雨 「夏の夜」
...ハネて入浴、浴衣がけで、昨夜の鳴瀬へ行き、鳥の足二本食ひ、他いろ/\...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...いっそ大川へ浴衣がけで飛び込んだ江戸の昔が懐しいや...
正岡容 「圓朝花火」
...庭のところで浴衣がけの老人が南瓜の前に佇んでいられるので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...土くさい浴衣がけの群と一しょに控所の腰掛けにもたれていた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...見ると浴衣がけの若大将が湯上りの身体(からだ)をテラテラ光らせながら...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...お小姓上りだけに多少眼の見える平馬は、浴衣がけのまま、敷居際で立止まった...
夢野久作 「斬られたさに」
...浴衣がけの父がノッソリ縁側に出て来て...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...浴衣がけの二人が親しまれたものであろう...
吉川英治 「随筆 新平家」
...今夜は白のあつさりした浴衣がけで...
若山牧水 「姉妹」
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