...どちらの人物も齒の浮く樣にきざなのが目に立つ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...雅号を見ても素晴らしいのになると「唖連美也散生(あれみやさんせ)」というような歯の浮くようなのがある...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...荒海でもふわふわと浮くし敏捷に動いた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...究極は「一つ根に離れ浮く葉」を発見するところに写生の目的はあるとしましても...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...理想だのと歯の浮くような気障(きざ)な事を言って...
太宰治 「新ハムレット」
...そうすると下半身が宙に浮くことを防ぎきれないで...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...歯の浮くようなことを言わなかった時代ですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...区別がつかぬくらい静かに浮く...
夏目漱石 「草枕」
...聴いただけでも歯が浮く位――お兄様の前だけれど...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...恐ろしい泡が浮くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...みんな私の馬鹿がしたことでございます」身も浮くばかりに泣き沈むお霜を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
......
林芙美子 「新版 放浪記」
...ひょっとしたらそれで船が浮くかもしれないなどと無責任な放言をした...
久生十蘭 「ノア」
...な」と歯の浮くようなことをぬかす...
久生十蘭 「魔都」
...学問のない者が多いので、わからんかも知れんが、フチンというのは、字でかけば、浮き沈み、浜尾組が浮くか、沈むか? この浜尾市造の顔が立つか、つぶれるか?……今日まで、ばりばりと鳴らして来たが、明日のインド丸の荷役に失敗したら、おれは、この門司に居られん...
火野葦平 「花と龍」
...そんな歯の浮くやうな夢に駆られてイヽ気になつてゐられては此方がやり切れない...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...この歯の浮く病ひが治るだらう! なのだから幻滅さ...
牧野信一 「趣味に関して」
...何でもないものに何かの点で意味を感じようとするセンチメンタルに自分ながら歯の浮く余りな反感を覚えたのでもあつた...
牧野信一 「痴想」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??