...水の上に仰向(あおむ)けに浮くことを覚えたばかりですし...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
...鼻わきから頤(あご)にかけててらてらと油は浮くし...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...往々にして宙に浮くのは...
豊島与志雄 「新たな世界主義」
...金助はしきりにキザな面(かお)をして例の歯の浮くような文句と一緒に石を並べて...
中里介山 「大菩薩峠」
...宿賃が浮くだけでも大したものだ」道庵先生としては詰らないことをいったものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...宿賃が浮くなんぞは甚だ吝(けち)であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...改名披露ってなことに致したいもんでげすが……」相も変らず歯の浮くような調子で...
中里介山 「大菩薩峠」
...敏捷(すばしこ)く潜つては浮く水鳥の影...
中村憲吉 「三次の鵜飼」
...白き筋の横縦に鏡に浮くとき...
夏目漱石 「薤露行」
...娘は身も浮くばかり...
野村胡堂 「悪人の娘」
...恐ろしい泡が浮くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...齒の浮くやうな戀文が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身も浮くばかりに泣いて居るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...な」と歯の浮くようなことをぬかす...
久生十蘭 「魔都」
...全くこの二席の空高く浮く昼月の美しさに比べ見て...
正岡容 「我が圓朝研究」
...金環金盃に化けて浮くを採りに懸るところを引き入れて自分の妻に侍せしむとあり...
南方熊楠 「十二支考」
...けれども陸羽(りくう)一三二号(ごう)のほうは三割(わり)ぐらいしか浮く分がなかった...
宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
...夢――というものが、記憶の反芻とすれば、空に浮く幻は、未来の夢であった……...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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