...ひょろひょろと頬(ほお)を掠(かす)めると思うと――(今もおくれ毛が枕に乱れて)――身体(からだ)が宙に浮くのであった...
泉鏡花 「悪獣篇」
...そして浮く力がなくなり...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...浮く力をうしなって...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...どれだけのパルプが浮くか...
太宰治 「人間失格」
...ミシンがまた歯の浮くような騒々しさで運転しはじめた...
徳田秋声 「あらくれ」
...むしろ歯が浮くような厭味(いやみ)を感じた...
徳田秋声 「仮装人物」
...何分間かが浮くだろう...
永井隆 「この子を残して」
...宿賃が浮くなんぞは甚だ吝(けち)であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...齒の浮くやうな戀文が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...足が宙に浮くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その齒の浮くやうなお世辭にも拘(かゝは)らず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...な」と歯の浮くようなことをぬかす...
久生十蘭 「魔都」
...歯の浮くやうな唄をうたひ出して...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...老人はまるで歯の浮くやうな出放題をならべ立てたものぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...何でもないものに何かの点で意味を感じようとするセンチメンタルに自分ながら歯の浮く余りな反感を覚えたのでもあつた...
牧野信一 「痴想」
...土蔵の上に体が浮く...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...褐色の血? 死水に浮く脂肪? のかがやき...
夢野久作 「江戸川乱歩氏に対する私の感想」
...彼も体が浮くように欣(うれ)しかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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