...東方の丘陵は浮き出すようにはっきりと見える...
田山花袋 「一兵卒」
...湯上がりの薄く化粧(けしょう)した白い顔を夕暮れの暗くなりかけた空気にくっきりと浮き出すように見せて...
田山花袋 「田舎教師」
...やせはてた体(からだ)と蒼白(あおじろ)い顔とを教室の卓(テーブル)の前に浮き出すように見せて...
田山花袋 「田舎教師」
...母親と清三とが知人にでっくわして挨拶(あいさつ)しているさまが浮き出すように見える...
田山花袋 「田舎教師」
...何方かと言へば丸顔の美しい顔が浮き出すやうに薄暮の海岸の空気の中に見えてゐたことを思ひ起した...
田山録弥 「波の音」
...ほんのりと白く二人の顔を浮き出すやうに見せてゐます...
土田耕平 「狐に化された話」
...そして今や全体の顔貌(がんぼう)が模糊(もこ)たる曙(あけぼの)から浮き出す...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...瞬間の形象がくっきりと浮き出す...
豊島与志雄 「聖女人像」
...この滑稽の持腐れは思いきって発揮される!浮き出す度毎(たびごと)に...
中里介山 「大菩薩峠」
...自然と畳が浮き出すように...
夏目漱石 「思い出す事など」
...無辺際(むへんざい)に浮き出す薄き雲の然(ゆうぜん)と消えて入る大いなる天上界(てんじょうかい)の間には...
夏目漱石 「虞美人草」
...朗(ほがらか)に浮き出す万古(ばんこ)の雪は...
夏目漱石 「虞美人草」
...少しずつ赤く浮き出すように思われた...
夏目漱石 「坑夫」
...その間が白く曇って左右の鼠(ねずみ)をかえって浮き出すように彩(いろど)った具合がことさらに凄(すご)かった...
夏目漱石 「三山居士」
...今取り出して見ても浮き出すやうに鮮やかな印象を受け取る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...鶴見へ行くと二寸位は船が浮き出すという...
山之口貘 「ダルマ船日記」
...最早(もう)美留藻が浮き出すかと...
夢野久作 「白髪小僧」
...ますます父の最後の笑顔をほのかに浮き出す灯火のように...
横光利一 「旅愁」
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