...浮き出すように前進して来た...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...私の目の前の空間に浮き出す仕掛けなのです...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...浮き出す様に照らしていた...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...決して全然新しいものをポカッと浮き出すことはできないのであります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...夕闇の中から大きな夜具を被(かず)いた黒い影が浮き出すように動いて来て...
田山花袋 「田舎教師」
...湯上がりの薄く化粧(けしょう)した白い顔を夕暮れの暗くなりかけた空気にくっきりと浮き出すように見せて...
田山花袋 「田舎教師」
...やせはてた体(からだ)と蒼白(あおじろ)い顔とを教室の卓(テーブル)の前に浮き出すように見せて...
田山花袋 「田舎教師」
...母親と清三とが知人にでっくわして挨拶(あいさつ)しているさまが浮き出すように見える...
田山花袋 「田舎教師」
...何方かと言へば丸顔の美しい顔が浮き出すやうに薄暮の海岸の空気の中に見えてゐたことを思ひ起した...
田山録弥 「波の音」
...ほんのりと白く二人の顔を浮き出すやうに見せてゐます...
土田耕平 「狐に化された話」
...全身がくっきり浮き出すこともあれば...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...そして今や全体の顔貌(がんぼう)が模糊(もこ)たる曙(あけぼの)から浮き出す...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...瞬間の形象がくっきりと浮き出す...
豊島与志雄 「聖女人像」
...浮き出すためであろう...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...点々たる星の空の下にクツキリと四角に浮き出すその家の広間の中は...
長與善郎 「青銅の基督」
...その間が白く曇って左右の鼠(ねずみ)をかえって浮き出すように彩(いろど)った具合がことさらに凄(すご)かった...
夏目漱石 「三山居士」
...最早(もう)美留藻が浮き出すかと...
夢野久作 「白髪小僧」
...館(やかた)じゅうが朧(おぼろ)に浮き出す...
吉川英治 「私本太平記」
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